重要性を知る

【なぜ覚えてないの?】夢の不思議を考える【忘れるために見ている説】

みきや
みきや
おはよう
昨晩うなされてたけど、大丈夫?
女の子
女の子
すごく怖い夢を見た気がする
みきや
みきや
どんな夢だったの?
女の子
女の子
う~ん・・・
思い出せない

「夢とは?」と聞かれて、完璧に説明できる人はいません。

夢については、まだ研究中で明らかになっていないことが多くあります。

この記事では、睡眠中に見る夢の様々な疑問点について、考えていきます。

夢の役割を知る手がかりとなるかもしれません。

夢を脳科学の観点から考える

夢とは?

夢について、Wikipediaでは次のように説明されています。

夢(ゆめ)とは、睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像のこと。睡眠中にもつ幻覚のこと。

引用:Wikipedia「夢」

ところで、「寝ないと記憶は定着しない」と聞いたことはありませんか?

受験生に対して学校の先生が言いそうな言葉ですよね。

これは本当です。

睡眠の役割の1つに、記憶の整理が挙げられます。

実は、夢は記憶の定着と深い関連があると言われています。

もう少しだけ詳しく説明します。

記憶の整理では、具体的には、脳の神経細胞同士の繋がりのアップデートが行われています。

関連の高い要素を繋ぎ合わせたり、関連の低い要素を切り離したりしているのですね。

その作業の中で、影響を受けた要素は、視覚を刺激します。

それが夢という形で表れているのではないかと考えられています。

今、記憶の整理では、関連の高い要素を繋ぎ合わせたり、関連の低い要素を切り離したりしていると言いました。

しかし夢には、覚えたいものを見ている説と、忘れたいものを見ている説とがあります。

この後で紹介する疑問について考えると、忘れたいものを見ているのではないかと考えた方が合理的なことが多いです。

ですが、覚えたいものを見ている説も否定できるわけではなく、このことについてはまだ研究が必要です。

なぜ夢を見るのか

夢は記憶の整理の過程で見るとお話ししました。

しかし、夢は記憶を整理するために、見る必要があるものなのでしょうか?

それとも作業の中で視覚が刺激されてしまっているだけ、すなわちただの副作用なのでしょうか?

夢を見る必要性についても、よく分かっていません。

というのも、夢はもともと心理学の分野で考えられてきました。

なので、夢は心の状態が表れているのではないかと分析されました。

予知夢や夢占いを信じるのは、これが理由ですね。

一方、脳や神経・記憶との関連性が考えられ始めたのは、1950年頃以降の話です。

割と最近ですね。

ですから、まだまだ研究中で分かっていないことも多いのです。

なぜ夢を見た記憶がないのか

夢は記憶の整理の過程で表れますから、誰でも毎日見ています。

それどころか、寝ている間ずっと見ています。

そして上書きされ続けています。

従って、朝起きて思い出せる夢は、起きる直前に最後に見ていたものだと言われています。

しかし実際には、朝起きると夢の内容が思い出せなかったり、そもそも夢を見ていた記憶さえもなかったりしますよね。

夢はなぜ覚えていないのでしょうか?

そこにはレム睡眠とノンレム睡眠が関係しています。

少し余談ですが、一言で睡眠と言っても、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つの状態が存在します。

レム睡眠とノンレム睡眠については別の記事で詳しく解説していますので、それぞれの説明はここでは省略させていただきますね。

本題に戻ります。

ノンレム睡眠とレム睡眠のそれぞれで見ている夢には、違いがあります。

ノンレム睡眠中に見ている夢は、静止画のような変化の無いものです。

ぼんやりとしていて、あまり印象には残りません

一方レム睡眠中に見ている夢は、ストーリー性のある映像であることが多いです。

印象にも残りやすく、一般的に覚えている夢の多くは、このレム睡眠時に見たものであると言われています。

従って、夢を覚えているかいないかは、起床直前の状態がレム睡眠であったかノンレム睡眠であったかに左右されます。

夢を覚えている場合は、レム睡眠の状態から覚醒したということですね。

なお実際にはそう簡単ではなく、レム睡眠からの覚醒であっても夢を覚えていないことや、逆にノンレム睡眠からの覚醒で夢を覚えていることもあります。

ですが、レム睡眠の状態の時に起こした方が被験者が「夢を見ていた」という確率が高いという実験結果もあるので、あながち間違いではなさそうです。

また別の観点では、このような考え方もあります。

1つに、夢は忘れたいものを見ている説であると仮定すれば、起きた時に夢の記憶があっては困ります。

ですから、忘れるような仕組みでなければなりません

もう1つに、夢を記憶できてしまうと、やがて記憶が現実のものなのか夢のものなのか分からなくなる恐れがあります。

現実と夢の出来事をごちゃ混ぜにしてしまうと、危険な勘違いを起こしてしまうかもしれません。

夢の不思議

現実ではあり得ない夢が多い理由

何度も同じことを言っているようですが、夢は記憶を整理する過程で見ているものでした。

過去に見たり経験したりした記憶同士の結びつきを変えるということは、脳内の色々な記憶が呼び起こされることになります。

それら様々な記憶の断片が次々に視覚を刺激することで、現実ではあり得ないような夢が形成されているのではないかと考えられています。

記憶がごちゃ混ぜにされているようなイメージですね。

また夢の中のめちゃくちゃな世界に違和感を持たないのは、活発に夢を見ているレム睡眠時には、前頭前野は眠っているからだと言われています。

前頭前野は脳の部位の1つで、論理的に考えたり判断したりする役割を担っている部分です。

人間は前頭前野が大きいので、他の動物と比べて脳が発達していると言われています。

レム睡眠中は、その前頭前野が働いていないため、あり得ない夢でも疑問を持つことが無いのですね。

怖い夢が多い理由

夢はただでさえ忘れやすいものです。

覚えているためには、強く印象に残るものでなければなりません。

怖い夢は印象に残りやすいですよね。

怖い夢が多いと言っていますが、別に怖い夢ばかり見ているわけではありません。

怖い夢以外の夢を覚えていないから、怖い夢をよく見ているように感じるのです。

そう考えると、現実ではあり得ない夢を見ることが多いのも、あり得ない内容は刺激が強く、印象に残りやすいからなのかもしれません。

さらに言えば、なんの変哲もないただの日常の夢なんて見た覚えないですよね。

また夢は忘れたいものを見ている説であるとすれば、怖い夢を見る確率が高い理由も納得できます。

怖いことは忘れたいですもんね。

と言っても朝起きて思い出せるのであれば、うまく忘れられなかったということになってしまいますが・・・。

コロナウイルス・パンデミック・ドリーム

新型コロナウイルスの拡大以降、世界中で悪夢を見る人が増えています。

その原因の1つは、外出の機会が減少し、ストレスが溜まっていることだと考えられています。

外に出れば、毎日多くの違った刺激があります。

一方家に引きこもっていては、同じ日々で刺激がありません。

すると記憶を更新する新しい要素が特にないという状況になってしまいます。

唯一あるのは、コロナウイルスによる先の見えない不安です。

それが世界中の人々に増えている悪夢の正体だとすると、怖い夢は不安やストレスと関係がありそうです。

不安やストレスを多く感じることで、怖い夢を見る確率が上がってしまうのかもしれません。

逆に怖い夢を頻繁に見ている場合は、何らかの精神的な病のリスクが高い状態にあるのかもしれません。

おまけ

初夢で「一富士二鷹三茄子」を見る方法??

一富士二鷹三茄子の初夢を見るための方法としてよく言われているのは、これらではないでしょうか?

  • 寝る前に強くイメージする
  • 絵を描く
  • その絵や写真を枕の下に入れる

どの行動も、一富士二鷹三茄子を強く意識するという点で共通しています。

確かに夢が記憶から構成されることを考えると、見たい夢を強く意識してから眠ることには効果があるのかもしれません。

本当に一富士二鷹三茄子の夢を見れる確率が上がるのか、そもそも見たからと言っていいことが起こるのかどうかは分かりませんが、信じなければ始まりませんから、実践してみるのも良いかもしれませんね。

夢占いは当たるの?

夢は記憶の断片、すなわち今までに経験したことや体験したことから構成されています。

ということは、夢の中に出てくるのは過去です。

未来の要素は含まれていません。

つまり夢から未来を知ることなんて出来ず、夢占いも根拠のないものなのでしょうか?

しかしそうとは限らないかもしれません。

怖い夢や一富士二鷹三茄子の夢のように、強く印象づいているものが夢に現れるとすると、夢にはその人の心理状態が表れるという考え方も可能です。

すなわち、願望や不安などの心の中の状態は、強く意識しているため夢に表れやすいということです。

そして、そこから未来を考察するものが夢占いというわけです。

また夢には睡眠中の夢のほかに「将来の夢」などと用いられる「夢」もありますが、どちらも同じ漢字を使っています。

英語でも、どちらも「Dream」です。

この2つの夢は全く違うもののようにも見えますが、「妄想」という共通点があります。

睡眠の「夢」も、将来の夢と同様に願望を表したものなのかもしれません。

夢だと分かりながら夢を見ることができる??

夢は普通は目覚めてから「夢だったのか」と気づくことができます。

でも夢であることを認識しながら夢を見続けられることがあるそうです。

それは明晰夢と呼ばれています。

また明晰夢を見ている時、その夢の内容をコントロールすることも可能だと言われています。

つまり夢の中にいる間ならば、自分の思い通りに何でも叶えられるということです。

しかし残念ですが、一部の人を除いて明晰夢は見ようと思って見れるものではありません。

あまり期待しすぎないようにしましょう。

それに期待が大きいと、仮に明晰夢を見られても、「やったー」と興奮すると同時にその興奮で起きてしまうそうです。

まとめ

夢については分かっていないことも多いですが、記憶の整理と関連がありそうです。

夢が思い出せないともどかしい気持ちになりますが、思い出さない方が良いから忘れているのかもしれません。

夢の解明が進み、モヤモヤが解ける日が来ると良いですね。