でも実はブルーライトって害を及ぼすだけではないんだ
むしろ上手に付き合えば有益にもなり得るんだよ
スマホやゲーム機の普及によりディスプレイと接する時間が増えた現代人。
これまで見ることの無かった光を近距離で直視するようになりました。
そんな時代の変化によって叫ばれるようになったブルーライトの危険性。
でもブルーライトの何が危険なのか、どう危険なのか、いまいち分かっていない方も多いのではないでしょうか?
この記事ではブルーライトの身体への影響からブルーライトとの上手な付き合い方まで、特に睡眠との関連を中心にお伝えします。
ブルーライトを初めから悪者扱いするのではなく、上手に付き合うことでより良い睡眠の獲得を目指しましょう。
目次
ブルーライトとは?
青色光
そもそもブルーライトとは何なのでしょうか?
答えは簡単です。
その名前の通り、青色の光のことです。
太陽光は青色も含め、虹に現れるような色々な色が混ざりあって白色に見えています。
空が青いのはその太陽の光の中で青色が強く反射して目に届いているからです。
つまり人は生まれた時から青色の光を浴び続けています。
従って青色の光自体には、何も害はありません。
それではなぜ青い光がブルーライトと呼ばれ危険だと言われているのでしょうか?
と、その前に光について少しだけ詳しくなりましょう。
青い光の特徴
光の正体が電磁波と呼ばれる「波」であることはご存知でしょうか?
人は波長が380~500nmあたりの光を「可視光」として見ることができます。
画像から分かるように、青色は可視光の中で最も波長が短い色です。
またそれよりも波長が短くなった光は紫外線と呼ばれています。
ここまで波長が短くなると、もう人間の目で色として捉えることはできません。
ちなみに紫外線という名前ですが、紫色よりも外側だから「紫外線」と名付けられています。
そういう意味では最も波長の短い色は青色ではなく紫色なのかもしれませんが、ここではあまり深く言及しないことにしましょう。
さらに余談ですが、反対側、すなわち可視光の中で最も波長の長い赤色よりも波長の長い光は赤外線と呼ばれています。
紫外線や赤外線と何気なく呼んでいても、今までその名前の理由を知らなかった方も多かったのではないでしょうか?
話を戻しましょう。
あなたは紫外線に対してどのようなイメージをお持ちですか?
また紫外線よりもさらに波長が短くなると、X線があります。
あなたはX線に対してどのようなイメージをお持ちですか?
これらの光は浴びすぎると体に悪影響を及ぼすとまず初めに想像したのではないでしょうか。
青色は可視光の中で最も波長の短い光、言い換えれば紫外線やX線に最も近い光です。
スマホの光に含まれるブルーライト
それでは紫外線に近い青色の光は危険なのかというと、そんなことはありません。
さきほど触れたように太陽光にも青色は含まれており、従って普段から大量に浴びています。
しかし近年、光との接し方に大きな変化が表れました。
ずばりスマホの普及です。
ほとんどの人々がスマホを所持するようになり、これまではあり得なかった「光を近距離で直視する」ということが日常になりました。
そこで浮上してきたのが、ブルーライトの身体への影響についてです。
青色の光が身体に害はないというのは、あくまで自然界での話。
スマホのように近距離で発せられるブルーライトは別問題です。
もともとブルーライトは紫外線に近く人間の見ることのできる中で最も刺激の強い光です。
それでブルーライトが危険だと叫ばれるようになったわけですね。
ブルーライトの身体への影響
目への影響
それでは具体的にブルーライトは身体にどのような悪影響を及ぼすリスクがあるのでしょうか?
まず初めに気になるのは目への影響ではないでしょうか?
実はブルーライトそのものが視力低下や何らかの病気の原因になるという研究結果はありません。
ブルーライトが直接目に悪影響を及ぼすかどうかはまだ分かっておらず、問題ないのではないかという考えもあります。
しかしこれはあくまでブルーライト自体の話です。
まさか青色の光をひたすら見続けることに対しての心配をしているわけではないですよね。
みなさんが気になっているのは、ブルーライトを含むスマートフォンの使用による目への影響だと思います。
残念ながらこうなると話は変わります。
長時間ディスプレイを見続けていると、ドライアイや眼精疲労のリスクが高まります。
目は対象にピントを合わせて物を見ているわけですが、映像に含まれているブルーライトはこのピント調節を妨げる主な原因となることが分かっています。
目のピント合わせが上手くできないと、視力が低下したり目が疲れやすくなったりします。
さらにはその目の疲れは身体全身にも広がってしまいます。
身体への影響
スマホの長時間使用による悪影響として代表的なものは頭痛や肩こりでしょうか。
原因はスマホの中でもブルーライトの存在により目のピント調節に集中してしまうことあったのですね。
ですがブルーライトの身体への影響はこれだけではありません。
さきほど青色の光は波長が紫外線に最も近いとお話ししました。
つまりブルーライトをずっと浴びるということは、弱めの紫外線をずっと浴びているようなものなのです。
紫外線を浴びると言えば、日焼けやシミ・しわの原因など皮膚への影響は簡単に想像されるはずです。
さらにはブルーライトは肥満の原因にもなり得ります。
このあと詳しく説明いたしますが、ブルーライトは注意していないと睡眠サイクルを乱してしまいます。
睡眠サイクルが乱れると、食べたものの消化活動がなかなか行われなかったり、そもそも食事のリズムが乱れてしまうことなどから肥満になりやすいと言われています。
肥満や睡眠の乱れの原因がスマホのブルーライトにある現代人、かなり多いかもしれませんね。
睡眠への影響
今お話しした通り、ブルーライトは睡眠サイクルを乱す原因となることがあります。
それではブルーライトと睡眠にはどのような関係があるのでしょうか?
睡眠のサイクルはホルモンによって制御されています。
ここではメラトニンというホルモンに注目してみましょう。
メラトニンは夜になると多く分泌され、眠気を呼び起こし、睡眠を促す役割を担っています。
しかしこのメラトニンはブルーライトによって分泌が抑制されてしまいます。
夜寝る直前までスマホをしていたり、寝つきが悪いからと言ってスマホを開いたりしていませんか?
実はこれらの行動は良質な睡眠を妨げ、睡眠サイクルを乱してしまう行動だったのです。
ですがブルーライトは初めにも話したとおり、悪者なわけではありません。
ブルーライトにはメラトニンの分泌を抑制に目を冴えさせる効果があるということは、逆に朝には浴びるべきだということになります。
朝目覚めたらカーテンを開け太陽の光を浴びることが大切ですが、この行動の本質は太陽光に含まれるブルーライトを浴びることにあります。
ブルーライトのおかげでシャキッと頭も身体も目覚め、活動モードへと切り替えることができるのです。
ブルーライトとの上手な付き合い方
スマホの利用法を考える
ブルーライトとの付き合い方、その大部分を占めるのはスマホとの付き合い方ではないでしょうか?
ここまでお話ししてきたように、スマホから発せられるブルーライトを浴びすぎると、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのような被害を防ぐために、3つの対策をご紹介しましょう。
まずは浴びるブルーライトを減らすための対策についてです。
画面の明るさは適切ですか?
明るすぎるディスプレイは、必要以上のブルーライトが発せられていることになります。
もちろん暗すぎもいけません。
適切な明るさに調節することで、目への負担を最小限に抑えましょう。
またブルーライトをカットしてくれるスマホフィルムやメガネで効率良くブルーライトをカットするのもおすすめです。
でも最近のスマートフォンにはブルーライトを減らしてくれる設定ができることも多いです。
iPhoneなら「Night Shift」、Androidなら「ブルーライトカットモード」や「リラックスモード」などの項目はありませんか?
これらの機能を試してみるのも良いかもしれませんね。
続いて目を疲れさせないための対策について考えましょう。
昔から言われていることですが、画面に近づきすぎないことと、適度な休憩が重要です。
子供の頃はそのようなことに注意してゲームをしていたという方でも、スマホは長時間連続して使用してしまっていませんか?
ゲームのプレイと同じように、スマホも1時間ほど使用したら休憩を挟むことが理想です。
少し伸びをして身体を動かすことも合わせて行うと良いですね。
最後に睡眠に悪影響を及ぼさないために、夜の使用は控えることが大切です。
先ほどお話ししたように、ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、スムーズな入眠を妨げてしまいます。
就寝前たった数時間の間でもスマホに触れない生活なんてありえないと感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
でも本当にその時間帯にスマホを使用しなければならないことなんてそう多くあるでしょうか?
SNS、ネットサーフィン、動画の閲覧、ゲームなど、ほとんどは娯楽ではありませんか?
通知も夜はOFFにして、朝になってからチェックしても問題はないのではないでしょうか?
だらだらとスマホを使用し続けないことで、夜更かしの防止にも繋がります。
照明の色
照明の色について気にしたことはありますでしょうか?
最近は省エネで寿命も長いLED電球が主流になってきました。
しかしLEDには1つ弱点があります。
それは、白色が青色と黄色で作れてしまうということです。
白熱電球などのこれまで白色は青色の他に緑色と赤色を混ぜて作られています。
また太陽は様々な色が混ざり合って白色に見えていますよね。
LEDの白色が少ない色で作れてしまうということは、それだけ青色の比率が高いということです。
白熱電球の方がLED電球よりも温かいイメージはありませんか?
それは気のせいではありません。
今お話ししたように、含まれている色の違いによるものなのです。
これは白熱電球を選択する大きなメリットですね。
でもLED電球を選択する場合でも、暖色のものを選ぶようにすることで、温かみのある部屋を演出することができます。
特に寝室の照明にはこだわりを持って快適な空間を作りましょう。
特に就寝前が重要
これまでの話から気づいてくださった方も多いかもしれませんが、ブルーライトに最も気を付けるべきは夜の時間帯です。
照明は優しい光となるように、月明りをイメージした環境づくりを目指しましょう。
そしてスマホをはじめとする刺激の強い光は避けましょう。
これだけでも睡眠の質を大きく向上させることに繋がります。
まとめ
充実した日々の生活には良質な睡眠が欠かせません。
そのための1つにはブルーライトとの付き合い方が挙げられます。
夜はブルーライトの刺激を無くすことで眠りの質を上げ、朝は太陽からブルーライトをたくさん浴びることで身体を覚醒させる。
このようにして規則正しい生活サイクルを維持することで、あなたの人生はきっとより良い方向へと向かうことでしょう。