今日のあなた自身の寝起き、評価してみてください。
どうでしたか?
良い目覚めが得られましたか?
それとも不快感を抱えながら起きてしまったでしょうか?
不快感の原因は、深い眠りに入っている時に無理やり起こされたことにあります。
この不快感を感じず、気持ちの良い目覚めを手に入れるためには、眠りが浅くなったタイミングに合わせて覚醒することが大切です。
だから90分周期を考えて起きようと言われるようになったのですね。
でも、試してみたものの効果があまり感じられなかった方。
それは周期にはかなりの個人差があるからです。
そのようなことを考えるよりも、アラームのかけ方を工夫することで、浅い眠りから覚醒できる確率を高めることができます。
この方法を実践するためには、2つのアラームを準備します。
朝の目覚めは1日の気分を大きく左右し、パフォーマンスに影響します。
これからご紹介するちょっと工夫したアラームのかけ方で、快適な朝を迎えましょう。
目次
そもそも90分サイクルとは?
なぜ90分の倍数で起きていたのか
睡眠時間は90分の倍数、すなわち6時間や7時間半が良いと言われることがよくあります。
これは、浅い睡眠である「レム睡眠」の時間帯に起床することで、自然な覚醒を得るためです。
睡眠には、浅い睡眠であるレム睡眠のほかに、深い睡眠であるノンレム睡眠が存在します。
浅い眠りは質が悪くて深い眠りは質が良いというわけではありません。
それぞれに別の役割の休息があり、人間の睡眠にはどちらも欠かせないものです。
しかし目覚めに関しては、深い睡眠であるノンレム睡眠時に起こされると不快感を感じてしまいます。
そのため浅い睡眠であるレム睡眠時の起床を目指すようになったのですね。
周期の波は夜中と明け方で変化する
確かにレム睡眠とノンレム睡眠は90分周期で交互に訪れます。
でも、実際の波がどのように変化しているのか、正しく理解している方は少ないのではないでしょうか?
実はこの記事を書いているみきやも、「レム睡眠とノンレム睡眠が90分周期で繰り返される」ということだけを聞いた際、大きな誤った理解をしていました。
それは、眠ってから最初の90分間はノンレム睡眠の時間帯が続き、その後90分~180分の間にレム睡眠の時間帯がやってくる。
180分~は再びノンレム睡眠の時間帯が訪れ、さらに90分後レム睡眠の時間帯になる。
このように想像していました。
しかし実際は、眠ってから最初の90分間近くはノンレム睡眠の時間帯が続くのですが、その後のレム睡眠の時間帯はなんと5分~10分程度だけです。
90分~180分の間もノンレム睡眠の時間帯がメインで、レム睡眠の時間帯は最後の10分~20分間くらいだけです。
ですがここで注目していただきたいのは、レム睡眠とノンレム睡眠の割合には一晩中で変化があります。
1度目のレム睡眠は5分~10分程度と一瞬だけでしたが、明け方のレム睡眠になるにつれ、どんどんその時間は長くなっていきます。
そして逆にノンレム睡眠の時間はどんどん短くなっていくのです。
図に表すとこのようなイメージです。
つまり、レム睡眠の割合が増えている明け方は、シビアに90分間の周期を気にしなくてもスムーズに目覚められる可能性はあるように思えます。
それではなぜあなたは起床時にそんなにも不快感を感じるのでしょうか?
大きな個人差
それは、90分サイクルと言われているレム睡眠とノンレム睡眠の周期には個人差があるからです。
具体的にどのくらいの個人差があるかというと、1周期が90分~120分くらいの差があります。
なんと周期が短い人と長い人では、1.3倍以上もの差になるのです。
つまり、120分周期の人が3周している間に、90分周期の人は4周できてしまうのです。
これだけ違えば明け方頃には計算した90分サイクルなんて意味を成しません。
また、1周期におけるレム睡眠とノンレム睡眠の割合は、レム睡眠の割合が増えるように変化していくとお話ししましたが、この増加率にも個人差があります。
さらに、1度目の深い睡眠であるノンレム睡眠が特に深いか、それともあまり深くならなかったによって、同じ個人でも日によって違いがあるかもしれませんね。
それではレム睡眠時に起きられるかどうかはう完全に運任せなのでしょうか?
運が悪ければ、不快な1日のスタートを切ることになるのでしょうか?
そんなことはありません。
起きたい時刻にレム睡眠の波を持ってくるアラームのかけ方があるのです。
さっそく紹介していきます。
2つのアラームで快適に起きる
セット方法
アラームのかけ方のポイントは2つです。
ずばりかける時間と音量です。
2つのアラームのうち、まず1つはいつも通りの時刻にいつも通りの音量でセットしましょう。
そして重要なのがもう1つのアラームです。
このアラームは、1つ目のアラームより20分~30分ほど早い時刻に1つ目のアラームより小さい音量でセットしましょう。
そしてあまり長時間鳴り続けないようにしておきます。
このかけ方がオススメな理由
このアラームのかけ方をするとレム睡眠で起きられる確率が上がるのですが、その理由についてお話しします。
と、その前にこの理由を解説するうえで重要な睡眠の特徴について確認しておきます。
まず1つは、ノンレム睡眠中は深い眠りに陥っているため多少の物音に気づいて起きてしまうことはありません。
しかし大きな音や大きく身体を揺すられるなどの刺激が与えられれば、無理やり起こされてしまいます。
そしてもう1つ確認しておきたいことは、明け方は快適な目覚めにつながるレム睡眠の割合が増えていることです。
十分な睡眠時間を確保していれば、明け方の周期はノンレム睡眠30分ほどに対してレム睡眠の時間が1時間ほどになっています。
この睡眠に関する2つのことがらを踏まえたうえで、先ほどのアラームのかけ方に戻りましょう。
このようなアラームのかけ方をしていた場合、仮に1度目のアラームが鳴った時刻にレム睡眠状態であったとします。
この場合、20分~30分ほど早起きになってしまいますが、レム睡眠からの目覚めであるため快適に起きられます。
朝の時間に余裕も生まれて一石二鳥ですね。
一方1度目のアラームが鳴った時刻にノンレム睡眠状態であったとしたら、どうでしょうか?
1度目のアラームの音量は小さいので、深い眠りのノンレム睡眠中には気づきません。
このアラームはそのまま過ぎ去ってしまい、続いて20分~30分ほど経つと2度目のアラームが鳴り始めます。
先ほどノンレム睡眠状態であった場合、このくらいの時間が経つとレム睡眠状態に移行しているので、アラームの音に気付いやすい状態になっており快適に起きられます。
このようなアラームのかけ方をすることで、睡眠周期に左右されず、どんな場合にも対応することができるのです。
だんだん音量の上がる目覚まし時計を鳴らし続けていてはいけないの?
1度目のアラームはレム睡眠であった場合にのみ起こし2度目のアラームは1度目のアラーム時にノンレム睡眠であった場合にレム睡眠に移行したタイミングで鳴らす。
確かに言いたいことは理解できるけれど、それならだんだん音量の上がる目覚まし時計を鳴らし続けていてはいけないのかと感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこのような止め続けるまで長時間なり続けるアラームの使用はおすすめしません。
それはアラームの鳴り始めがノンレム睡眠で、すぐに起きなかった場合に問題が生じるからです。
レム睡眠への移行中、すなわち眠りは浅くなりつつはあるけれどまだ深めの睡眠状態で、でも音にはだんだん敏感になってきた頃に目覚めてしまう可能性があります。
一番眠りの深いタイミングで起こされた時よりは不快感は少ないかもしれませんが、それでもまだ深めのところにいるため、快適な朝が得られません。
1度目のアラームには、起きなければ諦めてもらうことが重要なのです。
さらに快適な起床を目指す方へ
明け方のレム睡眠の割合を増やす
先ほど紹介したアラームのかけ方では、1度目のアラームの音量は小さめにセットしました。
しかし鳴り始めたタイミングが浅いレム睡眠への移行中で、さらに音に敏感であった場合、ひょっとしたら不快に目覚めてしまうかもしれません。
このような運の悪いことを防ぐためには、明け方のレム睡眠の割合をできるだけ増やしましょう。
そのために重要なことは、就寝後最初のノンレム睡眠ができるだけ深くなるようにすることです。
1度目のノンレム睡眠の重要性については以下の記事で詳しく解説していますが、睡眠前半でノンレム睡眠がしっかりと取れることで、睡眠後半でのレム睡眠の割合が増えるという考え方になります。
最初のノンレム睡眠を深くするためには、ひとことで言えば規則正しい生活習慣を送ることが大切です。
そして就寝前には激しい運動をしたりスマホから発せられる強い刺激の光を見たりしないように、ぐっすりと眠るための準備を心がけましょう。
レム睡眠時に起きれるよう、睡眠時間を少しずつずらして調べる
自分は入眠から何時間後がレム睡眠で自然に起きやすい状態にあるのか、計算ではなく実際に調べてみるのは良いかもしれません。
ただし安定した生活習慣が送れていることは絶対条件です。
でなければ日によってレム睡眠のタイミングに差があり、正確に調べられません。
そのうえ、見つけられても毎日その時間帯ではないようでは時間帯を調べる意味がありません。
調べ方はいたって簡単です。
ただしいくつかの注意点はあります。
6~8時間の睡眠時間を目安に、5分や10分ずつ睡眠時間を変えていき気持ちよく起きられる睡眠時間を見つけましょう。
睡眠時間を変えるときには、急激に変えてはいけません。
2,3日ごとに5分~10分の、かなりゆっくりとした速さで期間をかけて調べます。
あくまで現在の生活に影響が出ないように気を付けましょう。
また就寝時刻を操作するのか、それとも起床時刻を操作するのかについてですが、おすすめは起床時刻は固定したまま就寝時刻を操作することです。
ただし就寝時刻を操作したときに入眠に向けて入浴や入浴後の行動の時間帯も一緒にずらすことが難しい方や、理想の起床時刻があるけれど現在その時刻に目覚めることが出来ておらず、せっかくなら起床時刻を近づけていきたいというような方の場合は、起床時刻の方を操作しても良いと思います。
まとめ
快適な目覚めを得るためにはレム睡眠のタイミングで目覚められることが大切です。
逆に言えば、ノンレム睡眠中に無理やり起こされるような状況は避けたいです。
余談ですが、人は眠りについた後まず初めの90分間にはノンレム睡眠が訪れます。
このノンレム睡眠は睡眠中何度が訪れるノンレム睡眠の中で最も深く時間も長いノンレム睡眠となります。
つまり最も起こされると不快感を感じる時間帯になります。
つまり何が言いたいかというと、さっき眠ってしまった人を起こす行為は絶対にしてはいけませんよ。