熟睡のポイント

快眠を得るためのシンプルな2つのポイント【答えは深部体温と自律神経です】

女の子
女の子
寝てもなんだか疲れが取れていないんだけど、何が原因なのかな~?
みきや
みきや
もしかしたら睡眠の質が悪くて、深い睡眠が得られてないのかもしれないね。
明らかに夜更かしをして生活リズムを狂わせているわけでもない。
なのにあまりしっかり寝た感じがしない。
最後にぐっすり眠ってスッキリ起きれたのは、いつだっただろう?

快眠は、実は2つのポイントを抑えることで得られます。

睡眠に関する研究は進んできており、メカニズムも明らかになってきています。

身体は、夜になると睡眠の準備を、朝になると覚醒の準備を自動的に始める能力を持っています。

このコントロールが正常に行われるために、大切なことは何かを学びましょう。

睡眠に関する知識を充実させれば健康的な生活が得られ、人生をより豊かに送ることができます。

【ポイント①】深部体温

体温は1日の中でも変動している

快眠を得るために知っておいていただきたいことの1つ目は、深部体温と睡眠の関係についてです。

人の体温は1日を通して常に変動しています。

下のグラフをご覧ください。

時刻と体温の関係

かなり大雑把ですが、この図で重要なことは、以下の2点です。

  • 起きて日中活動をしている間は体温が高い
  • 夜中寝ている間は体温が低い

起きている間は活動量が高まりますから、エネルギーを多く生産する必要があります。

身体が温まった方が血流も良くなり、栄養は全身に行き渡りやすくなります。

身体がカチコチでは、思うように動かせないですよね。

逆に寝ている間は、エネルギーはあまり必要ありません。

体温を下げて活動量をわざと減らし、エネルギーを温存しているのですね。

つまり良い眠りを得るためには、夕方から夜にかけて深部体温を低下させるサポートを上手にしてあげることが大切です。

ところで夏の夜になかなか眠りにつけずに苦しさを感じることってありませんか?

熱帯夜と呼ばれているような日は太陽が沈んでも気温が全然下がりません。

すると当然体温もうまく低下させることが出来ず、スムーズに眠りにつくことが出来ないというわけなのです。

逆に冬の朝なかなか起きられない、布団から出るのが辛いというのも、体温の変動から説明できます。

睡眠中は体温を下げて深い睡眠を得ていました。

朝が近くなると身体は起床の準備を始め、体温を徐々に上昇させていき、活動の準備をします。

そして起床を迎えるのですが、起床直後はまだ日中の活動時ほど体温が上がりきってはいません。

夏などであれば気温が高いためすんなりと起きることが出来ますが、冬の場合はまず体を温めることから始めなければならないのです。

冬の朝が寒いのは当然ですが、睡眠中に体温を低下させていたことでより寒く感じやすいのですね。

相対差がスムーズな入眠のカギ

眠りにつくためには深部体温を低下させることが必要です。

しかしただ単に下げれば良いのではありません。

スムーズな入眠、そして深い睡眠を得るためには下げ方にコツがあります。

それはより体温が高い状態から急降下させるということです。

というのも、脳が活動モードから睡眠モードへの切り替えを行う際、基準にしていることの1つが、この深部体温の変化です。

深部体温が下がることで、脳は「そろそろ寝る時間だな」「みんな寝る準備してねー」と身体に指令を送ることができます。

ですから、あくまでも平熱が低い人の方が睡眠の質が高いわけではありません。

夕方から夜にかけての体温と、就寝時の体温の相対差をどれだけ作れるかが重要なポイントとなります。

睡眠と深部体温の関係から見たお風呂の役割

その体温の急降下をつくるポイントが入浴にあります。

1日の疲れを取りリラックスすると同時に芯から温まる、すなわち深部体温を上昇させる役割を入浴は担っています。

この深部体温のコントロールのことを考えると、お風呂に入る最適な時刻は就寝時刻の2時間ほど前だと言われています。

それよりも早すぎると、せっかくお風呂に入っても、温まった身体が就寝する前に冷え切ってしまいます。

俗にいう湯冷めです。

逆に遅すぎると、就寝時刻になっても身体はまだ熱の発散の真っ最中なんてことになってしまいます。

そのような状態で布団をかぶれば、熱の発散は妨げられ、余計に眠れません。

入浴で身体を芯から温めてあげること、そして体の熱を逃がすとともに眠りにつくことが大切なのですね。

【ポイント②】自律神経

交感神経と副交感神経

快眠を得るために知っておいていただきたいことの2つ目は、自律神経と睡眠の関係についてです。

自律神経とは、その名の通り「自律」して働いている神経で、操作しようと思ってもできるものではありません。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成っています。

交感神経は運動中や迫力ある映像を見ているときなど、心臓がドキドキしているようなときに優位になります。

逆に副交感神経は入浴中や睡眠中など、リラックスしているようなときに優位になります。

簡単に言えば、交感神経が「昼の神経」で、副交感神経が「夜の神経」ですね。

交感神経と副交感神経はいつも2人でセットです。

場面に合わせて「交感神経が頑張って働くね」「副交感神経が頑張って働くね」と協力し合って身体を操作しています。

例えば運動を始めると、「もっと酸素が必要だ」という情報が脳から送られてくることで交感神経が優位になり、心臓に「もっと活発に働いて」とお願いをします。

その結果、心臓がバクバク普段よりも激しく動くのです。

このように自律神経は身体をコントロールする役割を担っています。

しかし生活習慣が乱れたりストレスを溜め込んでしまったりすると、この自律神経が正常に働かなくなることがあります。

言い換えれば、交感神経と副交感神経がケンカしてしまった状態です。

それぞれが好き勝手に矛盾した指令を送ってしまったり、間違った指令を送ってしまったりします。

これが自律神経失調症と呼ばれている病気です。

自律神経失調症になると、不眠症を発症する、だるさや疲労を感じる、イライラしやすくなるなどの様々な不調が現れます。

これらは、うつ病など他の病気の原因にもなりかねません。

ですから交感神経と副交感神経が仲良しな状態、すなわち自律神経が整った状態が保たれていることはとても大切です。

リラックスが深い睡眠のカギ

快眠を得るためには、深部体温のコントロールの他に、この自律神経もうまくコントロールする必要があります。

もちろん「自律」神経なので直接コントロールすることはできません。

それではどのようにコントロールするのでしょうか?

大切なことは、交感神経と副交感神経がケンカせずに働いてくれるような日常生活を意識することです。

例えば、眠りにつくためには副交感神経が優位になっている必要があります。

極端な例を挙げると、過激な運動後汗も流れ出ているような状況で今すぐ寝ろと言われても、呼吸は荒く不可能ですよね。

それは運動により交感神経が優位になっているからです。

交感神経にとってみれば、副交感神経に「眠るらしいから自分に指令権を譲って」と急に割り込まれても困惑してしまいます。

  • 布団に入ってからなかなか眠ることが出来ない
  • 夜中に目が覚める
  • 朝時間的にはしっかり寝たのに疲れがとれない

このような悩みを感じている方はいらっしゃいませんか?

それは自律神経のコントロールがうまくできておらず、交感神経が睡眠中に邪魔をしているせいで深い睡眠が取れていないからなのかもしれません。

スマホやPCなどの使用中は、交感神経が優位になっています。

就寝直前までこれらのデバイスを使用していると、先ほどの運動直後の就寝と同様のことが起こってしまいます。

副交感神経を優位にしてあげるための就寝前の活動としては、本を読んだり音楽を聴いたりすることがおすすめです。

これらの行動は、身体をリラックスさせてくれます。

睡眠と自律神経の関係から見たお風呂の役割

副交感神経を優位にして深い睡眠を得るために忘れてはならないポイントとして、入浴があります。

入浴は深部体温のコントロールという面でも重要でしたが、自律神経のコントロールという面でも大切です。

入浴は1日の疲れを取りリラックスする時間だというイメージからも、お風呂と自律神経の関係は想像しやすいかもしれません。

その通りなのですが、ではなぜお風呂に入るとリラックスして副交感神経を優位に出来るのでしょうか?

入浴には3つの効果があります。

1つ目は温熱の作用です。

40℃くらいのお湯に浸かると、血管が広がり血行が良くなります。

すると筋肉の緊張が解け副交感神経が優位になり、精神が安定します。

また血行が良くなることで新陳代謝が上がり老廃物が排出されるという効果も期待できます。

なお42℃を超える熱いお湯は、今度は交感神経を刺激してしまう恐れがあります。

熱いお湯が好きな方にとっては40℃は少しぬるく感じてしまうかもしれませんが、快眠の面から考えると熱すぎるお湯はNGです。

2つ目は水圧の作用です。

全身に圧力を受けることで血管が活発に働き、血行が良くなります。

水によるマッサージのようなイメージですね。

温熱の作用と併せて血行を促進してくれることで、老廃物の排出だけでなく、イライラのような精神的なストレスの発散にも繋がります。

3つ目は浮力の作用です。

プールや海などと同様に、入浴時にも身体には浮力が働いています。

それにより身体への負担が減るため、筋肉の緊張が解けリラックスできます。

身体が軽くなることで、気持ちも軽くなるのですね。

これらの作用を理解し、正しい入浴で「快眠」という恩恵を受けましょう。

それでも眠りに満足できない方へ

ストレスが溜まっていませんか?

現代はストレス社会だと言われています。

昔に比べてはるかに便利な世の中となりましたが、それと同時に現代人は忙しい生活を送るようになりました。

様々なことが効率的に行えるようになったのは良いことです。

ですが、それにより今度は時間が余り始めてしまいました。

もちろん効率を求めていた現代人が、余った時間をそのまま休息に利用するはずもありません。

仕事を詰め込み、頑張り過ぎ・働きすぎになった現代人は、次第にストレスを溜め込むようになります。

怖いのは、ストレスを溜め込んでいる自覚の無いことです。

さぼったりだらけたりすることは違いますが、「ちょっと無理するくらいがいい」と自分を騙していませんか?

自分を酷使していませんか?

気づいた時には重症化しています。

  • 趣味を見つける
  • こまめに気分転換をする
  • プライベートの時間を大切にする

自分なりの上手なストレス解消法を見つけておきましょう。

寝具にこだわってみましょう

その寝具、いつ購入したものですか?

またどこで購入したものですか?

睡眠は人生の約3分の1の時間を占めています。

その3分の1の間を共にしている寝具には、こだわりを持っていますでしょうか?

安いもので済ませてしまう気持ちも分かりますが、それが睡眠の質を低下させる原因となっている可能性があります。

結局はケチったお金が、人生の充実を妨げているのです。

近くのショッピングセンターで販売されている寝具は、日本人の平均的なモデルを基準に作成されたものであることが多いです。

必ずしもあなたに適しているとは限りません。

値段だけ見てテキトーに選んだ寝具や、長年使い続けてくたびれた寝具をお使いの方は、これを機に1度見直してみると良いかもしれません。

眠りに悩んでいることが1番の原因かもしれません

布団の眠れないことを意識してしまうと余計に眠れなくなってしまう、なんてことがあります。

このように「眠りに関する悩みを持っている」こと自体が快眠を妨げている原因となっていませんか?

悩みを抱えているとネガティブ思考になり、生活の質が低下してしまいます。

それが睡眠の質の低下を引き起こし、やがては悪循環に陥ってしまいます。

悩みの種は既に解消しているのかもしれません。

それにも関わらず、見つかりもしない原因を探しているのは可哀想です。

一度気持ちを切り替え、ポジティブに生活してみませんか?

次思い出したときには、もう悩みは無くなっているかもしれませんよ。

まとめ

これまでに述べてきたように、快眠を得るためには「深部体温」「自律神経」の2つを上手にコントロールすることが重要です。

これらは、規則正しい食事や適度な運動などを取り入れることで、正常に働いてくれます。

その中でも特に入浴は密接に関わっており、時間帯・時間・温度・方法などを適切に守ることで快眠に繋がる効果が期待できます。

また深い睡眠は、健康的な活動を行うための土台でもあります。

相互に良い影響を与え合っている状況が理想的ですね。