それを上手く寝る前に再現してみよう
ほとんどの方が経験あるのではないでしょうか?
午後の授業の強い睡魔。
さすがに体育の授業で運動しながら眠ることはないと思いますが、じっと座って話を聞いているだけの授業なんて退屈ではありませんでしたか?
この退屈な感覚、就寝前に応用させませんか?
ノートを取る内容もあまり無く、ただ1時間座っているだけの授業のときって、特に睡魔に襲われましたよね?
それは能動的に行動することがなく、脳が回転を停止してしまっていたからです。
この現象を夜に再現することで、寝たいときに眠気を感じられるようになるかもしれません。
睡魔というと、「魔」という字が含まれているように、できれば避けたい敵のような印象を持ってしまいます。
しかしその睡魔も上手に味方につけてしまえば怖いものではありません。
むしろあなたの睡眠の質を向上させてくれる良きパートナーにもなり得るかもしれません。
目次
睡魔と言えば…
授業中
初めにもお話ししましたが、睡魔と言えばまず思いつくのは授業中に襲って来る睡魔ですよね。
授業中ってなぜあんなに強い睡魔に襲われるのでしょうか?
休み時間になったら途端に睡魔は消えて目もぱっちり開くのに…。
でもよく考えてみると、好きな科目の時は寝てしまうことはそれほど無かったのではないでしょうか?
それは、好きな科目の時は興味を持って能動的に授業を受けていたからです。
逆に眠気に襲われた時は授業が受動的になってはいませんでしたか?
能動的に授業を受けているときは、新しい知識を自分のものにしようとアンテナを張っているので、脳はとても高速に回転しています。
一方で授業が受動的になると言うことは、アンテナは辛うじて立ててはいるものの、電波がやって来ないかな~と待っているだけの状態です。
マンツーマンの授業であれば、それでも電波は頻繁にやってきます。
しかし大人数の授業の場合はどうでしょうか?
電波がやって来なければ、だんだん退屈してきます。
この退屈こそが授業中に眠気に襲われる最大の原因なのです。
電車やバスの車内
もう1つ眠気の現れる代表的な場所と言えば、電車やバスの車内ではないでしょうか?
電車やバスの車内って、スマホを見ている人か眠っている人の2つに大別されませんか?
それほど電車やバスの車内って眠気に襲われやすい場所なのです。
もちろん仕事や勉強に忙しく、仮眠を取るタイミングが移動中である電車やバスの車内しかないという人もいらっしゃると思います。
しかし寝るつもりなんて無かったのにスマホを持ったままうとうとしてしまったり、目的地を乗り過ごしてしまったり…。
その原因は車内の絶妙な揺られにあります。
誰しもジェットコースターに振り回されたり地震が起きたりしている最中に寝る人はいないでしょう。
ですが電車やバスの揺られに関しては、赤ちゃんの頃子守歌を歌ってもらいながら身体を揺すってもらったような、あれに似た感覚が再現されているのです。
これこそがゆりかご効果です。
睡魔が襲ってくるのはなぜ?
代表的な2つの睡魔の原因について詳しく見ていきましょう。
【原因①】退屈
興味のある科目や体育のような身体を動かす科目では、能動的な状態にあるため眠気に襲われることはありません。
一方で興味の無い科目を中心とする話を聞くだけの授業で眠気に襲われやすいのは、退屈であることが原因にあるとお話ししました。
退屈というのは、脳が思考することが少なく暇している状態です。
言いかえると、刺激の無い状態です。
もう一度眠たくならない時を考えてみましょう。
興味のある科目では耳を働かせ、一生懸命話を聞こうとしています。
新しい学びという刺激を受け取ると、その事柄について考えたり、関連する情報を得ようとしたりし、それがまた自身への刺激となります。
その他にもノートを取るという行動は、一種の身体を動かしている状態であり、能動的な行動として捉えられるため、眠気防止に一役買ってくれます。
それでは反対にノートにメモを取る内容があまり無かったり、先生の話を聞いているだけの授業を考えてみましょう。
刺激として何が考えられるでしょうか?
耳から入ってくる音くらいではないでしょうか?
先生が緩急あるしゃべり方や抑揚のあるしゃべり方をしてくれていれば耳も働くかもしれません。
もしくは興味のある授業であれば耳に引っかかるワードも多いので、それが刺激となってくれます。
しかしたいていは耳に入ってきた内容が反対の耳にそのまま流れ出て行ったり、お経のようにしか聞こえなかったりしていませんか?
このように「雑音」としてしか言葉を聞いていないようでは、十分な刺激は得られません
刺激が無ければ退屈し、退屈は睡魔を呼んできます。
眠気を起こさないためには何らかの形で刺激を与え続けることが重要なのです。
【原因②】ゆりかご効果
電車やバスの車内で発生しているゆりかご効果についても見ていきましょう。
最近では乗り心地の良い乗り物も増えてきましたが、これら乗り物の車内では少なからず振動を受け続けています。
例えばジェットコースターのように振動が強すぎる場合、身体と内臓の振動はズレてしまいます。
このズレは不快感を呼び、ひどい場合には吐き気を感じてしまいます。
しかし電車やバスのような適度な振動の場合はどうでしょうか?
身体と内臓の振動はきれいに同期します。
するとまるでゆりかごに揺られているかのような安堵感がもたらされます。
身体の緊張が解け、リラックスできる状況となった電車やバスの車内では気持ちよく寝られてしまうのです。
動物たちが襲われるかもしれない状況にあるときには緊張感を漂わせていますが、安心できる状況になったらすやすや気持ちよく眠れるのと同じですね。
睡魔を味方につける
睡魔を操作する
ここからが本題です。
午後に訪れる眠気には、退屈な状況とゆりかごのようなリズムの振動があるとお話ししました。
日中に起こるこれらの状況は時としてマイナスに働いてしまうこともしばしばあります。
しかし逆にこれを利用して、夜就寝前に再現することは出来ないでしょうか?
上手く眠気を呼び起こすことができれば、寝つきの悪さやその他の睡眠障害の改善も期待できそうです。
ただしゆりかご効果に関しては、再現は難しそうです。
というのも、ゆりかごに揺られているような振動は自分で作り出すことはできません。
貧乏ゆすりを思いつかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、これは能動的な行動になってしまいます。
お母さんにあやされるように、あくまで外部から「揺られる」必要があるのです。
ということは現実的には「退屈する」ことが睡魔を呼び、理想の睡眠を得るための近道だと考えられます。
就寝前には退屈しよう
「退屈する」それはすなわち刺激をできる限り減らすということです。
刺激は驚きや痛みを感じるような反射的なものだけではありません。
気温や湿度、明るい光も場合によっては刺激となりえます。
これらの刺激を軽減するにはどうすれば良いでしょうか?
気温や湿度に関しては、夜に限ったことではないですが快適な環境を整えておくようにしましょう。
特に夏や冬はエアコンや加湿器・除湿器を稼働させると電気代も気になるかもしれませんが、質の悪い睡眠がもたらす悪影響は大きいものです。
そして部屋の明かりは、入浴後を目安にワントーン落とすのがおすすめです。
就寝時の照明は真っ暗や豆球など、好みはあると思いますが、いずれにせよ起きている間よりは暗くするはずです。
それは部屋を暗くすることで光という刺激が目から入ってくるのを減らし、眠りにつきやすくするためですね。
さらに昔の人々を考えてみましょう。
電気の無かった頃の人々は、太陽が昇ると起きて活動を始め、太陽が沈むと眠りについていました。
太陽に合わせて周囲の明るさは変化するわけですが、いきなり昼から夜になるなんてことはありません。
夕方という時間帯を挟んで、徐々に暗くなっていきます。
スイッチ1つで明かりが得られる現代、あなたはこれを再現できていますか?
「おやすみ」と言って、部屋の照明を明るい状態から一気に真っ暗にしていませんか?
そんなことをすると、脳が寝る準備を出来ていないだけでなく、強い刺激を与えてしまうことになります。
刺激は退屈の最大の敵です。
良い眠りに良い環境づくりは欠かせません。
しっかりと「退屈する」ためにもこのようなことには注意していきましょう。
そしてさらに退屈度を高めるため、ここからは夜に適した刺激の少ない行動について見ていきましょう。
夜の過ごし方
読書
就寝前に適した行動としてまず挙げられるのは読書ではないでしょうか?
このサイトの別の記事でも何度か読書はおすすめさせていただいています。
ただし物語性の強く没頭してしまうような本や、興奮するようなサスペンス小説などには注意しましょう。
本当に退屈する本は読む気を無くしてしまいますが、読書が原因で夜更かしになってしまっては元も子もありません。
細かく章が分かれていて分けて読みやすい本のほか、1度読んだことのある本もおすすめです。
活字に触れる機会が少なくなった現代、読書を習慣にしてみませんか?
音楽を聴く
1日酷使した目を休める意味でも音楽を聴くことは良いですね。
その際はあまりアップテンポではなく、リラックスできる曲を選ぶようにしましょう。
歌詞の無いクラシックなんかおすすめです。
歌詞が無いということはその分情報量が少なく刺激が少ないと言えます。
夜音楽を聴く際には、ただただ音に耳を傾けゆったりとした時間を過ごすだけで、他の作業をしないのがおすすめです。
布団に横になり目を閉じて音楽を聴き、そのまま寝てしまっても良いかもしれません。
ただし寝たら音楽は消えるようにタイマーはセットしておきましょう。
夜中の間ずっと音楽が流れていると、ずっと耳を働かせることになり、それだけ睡眠の質が低下してしまいます。
ストレッチ
明かりをワントーン落とした部屋でゆったりとした時間を過ごすにはストレッチもおすすめです。
先ほどの音楽を聴くことと組み合わせても良いですね。
ただし就寝前のストレッチは軽度なものにとどめておきましょう。
あくまでリラックスすることが目的ですから、限界まで頑張って刺激を増やしてしまってはいけません。
気持ちの良いくらいが快適な眠りも促進され健康にも良く一石二鳥ですね。
刺激はNG
スマホ
読書・音楽を聴く・ストレッチというおすすめさせていただいた3つの行動には、リラックスするとともにスマホという現代における強烈な刺激から離れる目的もあります。
スマホは刺激の宝庫です。
【ブルーライトの刺激】
まずは光の刺激です。
強い光そのものにも眠気を遠ざける作用はありますが、なかでもスマホから発せられているブルーライトには注意が必要です。
光の中でも特に波長の強いブルーライトは覚醒作用も最も強く、就寝前に浴びると睡眠の質を低下させてしまいます。
就寝前の身体にとってディスプレイは最大の敵なのです。
【能動的な行動】
テレビとスマホを比較した際、もちろんテレビも光を発するため就寝前に見ることはおすすめできませんが、スマホは能動的な行動であるという面でよりデメリットが大きいです。
能動的な行動であるとはどういうことか。
テレビの場合、チャンネルの選択はありますが、提供される映像はテレビ局が決めてそれが流れてきているだけです。
一方でスマホの場合は何か目的を持って画面を点灯させ、アプリを開きます。
これこそが能動的な行動であり、特にスマホは暇つぶしにも使われるくらい退屈を遠ざけるものです。
それは本当に就寝前にしなければならないものでしょうか?
明日の朝ではいけませんか?
【ゲームは興奮作用も】
スマホで特にNGなアプリはゲームアプリです。
ゲームにもジャンルは様々ありますが、総じて興奮作用のあるものが多いですよね。
画面の切り替わりの多いゲームは刺激も多く、時間を忘れて集中しやすいものでもあります。
脳をフルに使うゲームをしていて眠気を感じた時は、それは身体に本当に限界がやってきた時です。
そうなると健康や人生にも悪影響を及ぼしかねません。
そうならないためにもスマホ、特にゲームとは上手く付き合っていくことが大切です。
夜食
あなたは夜食の習慣がありますか?
昼食後に眠気が襲ってくることを考えると、夜寝る前にも食事を取ることで心地よく眠りにつけるのではと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし夜食は逆効果です。
1つは「噛む」という行動が刺激を与える行動であるからです。
眠気覚ましにガムを噛むと良いと聞いたことはありますか?
あれはガムのスースーとした爽快な効果もありますが、なんども噛むという行動により脳を覚醒させる働きも含まれています。
顔には多くの筋肉があり、これらの筋肉を使う行動は脳へ大きな刺激が行きやすいのです。
さらにもう1つの理由として、食事を取ると消化器官を働かせることになることも挙げられます。
身体を休めるための睡眠であるはずが、消化器官を活発にさせてしまっては睡眠は遠ざかってしまいます。
なによりお腹いっぱいで横になるのは苦しくありませんか?
睡眠のリズムを整えるためには、食事リズムを整えることも大切です。
夜食をしたくなる気持ちもわかりますが、出来るだけ避けるようにしましょう。
まとめ
退屈という表現は少し難しかったかもしれませんが、安心してリラックスしている時、このような時に睡魔はやって来るのです。
先ほども動物を例に出しましたが、命の危険が迫っているような状況では寝ることはできません。
人間においては命の危機なんて状況は普通の生活ではありませんが、広い意味では緊張しているような状況では眠ることはできません。
逆にリラックスできる環境にある時、心は落ち着き眠ることができます。
このことを理解し睡魔を上手く操ることができるようになれば、質の良い睡眠が得られるようになるはずです。