明日は昼まで寝れるぞー
そんなことしたら生活が乱れてしまうよ?
あなたもついついやってしまっていませんか?
寝だめは生活習慣を乱し、逆にパフォーマンスを低下させる原因となります。
そんな寝だめを解消するには、寝だめしちゃう脳の意識を変えることが大切です。
寝れるならもっと寝たいという感情は、慢性的な睡眠不足の証拠です。
普段の睡眠時間をしっかりと確保することができれば、寝だめの欲求は無くなります。
でも平日は忙しいし、睡眠時間をこれ以上確保するなんてできないと感じている方。
そんな方でも大丈夫な寝だめを断ち切る方法をお話ししていきます。
寝だめしている時が気持ちいいだけで、後で大きな代償を抱えることに…。
まさにタバコのような寝だめの習慣を断ち、充実した休日の午前中を手に入れましょう。
寝だめの巨大な副作用
生活リズムが崩れる
食事の乱れ
寝だめした日の朝ご飯ってどうしていますか?
量を減らしますか?
それとも朝ご飯抜きでしょうか?
どちらも生活習慣を乱す原因となる危険な行動です。
普段お腹が空くと食事を取ると思いますが、食事の役割はお腹を満たすだけではありません。
後述する自律神経を整える役割も担っています。
もっと分かりやすい言葉で言うと、体内時計ですね。
作業が長引いてしまったり、何かに集中していたりして、普段の食事の時間を逃してしまった経験はありませんか?
当然空腹感を感じると思いますが、きりが悪くてもう少し作業を続けていると…。
「あれっ?さっきの方が空腹感が強かった」
この経験は自律神経の影響によるものです。
体内時計のリズムが正常であれば、いつもの時刻になると空腹感を感じてきます。
でもその時間帯を通り過ぎてしまうと、むしろ空腹感は消えてしまいます。
眠気にも、耐えて眠気の波を越えるとまだ起きていられそうな感覚に陥ることがありますよね。
このように食事には空腹の波が存在しているのですが、空腹のタイミングから外れて食事を取ると、それはリズムを乱す原因になります。
寝だめのせいで朝ご飯のタイミングを逃すと、それが食事の波を狂わせ昼食や夕食に影響します。
さらには睡眠にも悪影響を及ぼし、寝不足や寝だめを促進させることになります。
自律神経の乱れ
自律神経は、分かりやすく言えば、身体の管理人さんです。
空腹感や睡魔という形で食事や睡眠を促し、健康的な生活を陰からサポートしてくれています。
その他には、暑い場所や寒い場所に行っても風邪をひいたり死んでしまったりしないように体温をコントロールしてくれたり、緊急事態に備えて免疫細胞を準備したりしてくれています。
こんな素晴らしい管理人さんが人間の身体の中にはいます。
ですが、身体の管理人さんにも欠点があります。
それは時間に対してちょっとのんびりしているのと、でも時間にルーズというわけではなく、むしろ慌てて混乱しやすいのです。
この性格がどんな影響を与えるかというと、例えば身体の管理人さんに生活リズムを全て任せきりにしていると、のんびりしている性格のせいで指示がだんだんと遅れてきます。
それをそのまま放置しているとやがて夜型生活になってしまいます。
これを防ぐためには、こちらから「もう寝る時間だよ、もう起きる時間だよ」ということを教えてあげなければなりません。
つまり寝だめは間違った朝の時間を教えてしまう行為。
夜型生活のきっかけを作る行為なのです。
そしていつもと違う時間に朝ご飯を食べたり、朝ごはんを食べなかったりすると、管理人さんにはどのように影響するでしょうか?
身体の管理人さんは、「今朝ご飯のタイミングだっけ?」「これは朝食なの?昼食なの?」と慌てて混乱してしまいます。
するとその後の昼食や夕食、さらには就寝時刻の指示が正しく行われなくなってしまいます。
このように寝だめは自律神経が乱れるきっかけを作ってしまう危険性が非常に高いのです。
自律神経を整えて、身体の管理人さんと仲の良い生活を送るには、こちらも合わせてどうぞ。
セロトニン
セロトニンというホルモンをご存知ですか?
このホルモンは幸せホルモンとも呼ばれており、朝の時間を充実させることが役割の1つです。
起床時刻が近づくと分泌が始まり、睡眠状態から覚醒状態への切り替わりをサポートしてくれます。
さらにセロトニンは朝日を浴びることで分泌が促進されるという特徴があります。
また覚醒させることと合わせて覚醒を維持することも助けてくれるセロトニンは、日中の睡魔を防ぐ役割も担っています。
つまり朝シャキッと起き1日元気に活動する、すなわち幸せな生活を送るためには欠かせないホルモンなのです。
さらにセロトニンの素晴らしいところは、夜になるとメラトニンというホルモンに変わるところです。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれており、セロトニンとは反対に覚醒状態から睡眠状態への切り替わりをサポートしてくれる役割があります。
このメラトニンのおかげでスムーズに眠りにつけるのです。
ところで寝だめをして朝起きる時刻が遅くなると、これらのホルモンにはどのように影響するのでしょうか?
もし寝だめをしたとしても、セロトニンが分泌されなくなることはないでしょう。
むしろ起床に向けてセロトニンを準備しているのに、なかなか起きないせいで生成しすぎてしまいます。
その結果いつもより分泌量が多くなるかもしれません。
だから寝だめは幸せなのですね。
ただし幸せなのはここまで、夜になると問題が発生します。
夜になるとセロトニンはメラトニンに変わると言いましたが、起床時刻が遅いと、それだけセロトニンがメラトニンに変化するのも遅くなってしまいます。
すると覚醒作用のあるセロトニンのせいで夜になってもまだ眠たくなりません。
これが原因で就寝時刻が遅くなり、次の日の起床時刻も遅くなる。
またセロトニンの分泌が遅いせいで次の日の夜もなかなか眠くなりません。
こうして夜型に傾いた生活が習慣づいてしまうのです。
コンディションを整え、夜には眠りをサポートするメラトニンにもなる、うまく扱えば幸せな生活が手に入るセロトニン。
こちらに朝日でさらに効果を高められることについて書いているので、ぜひご確認くださいね。
身体の不調
睡眠の評価は「量×質」で決まりますが、例外として寝すぎは寝不足と同じくらい良くありません。
「寝すぎてしんどい」という経験は多くの方にあるかもしれません。
横になるというのは重力の負荷を分散させられるため、とても楽な姿勢です。
しかしいくら楽な姿勢だとは言え、長時間同じ姿勢でいるのは辛いものです。
それを避けるため、人間は睡眠中に寝返りという行動を取り、定期的に負荷を分散させています。
でも寝不足が蓄積してやっと寝だめできるときの睡眠はどうでしょうか?
寝返りも忘れてひたすら眠っていませんか?
もちろん寝返りは意識的にするものではありませんが、1週間の疲れから確実に寝返りの回数は減っています。
その代償は起床時、腰痛や首・肩のコリとして表れます。
寝だめの癖を取り払おう
寝だめが習慣化している
週末の寝だめの癖を無くすには、既に出来上がってしまっている寝だめの習慣を解消する必要があります。
今週は頑張って疲れたから、明日だけは特別に昼まで寝よう…。
きっと寝だめが習慣化したきっかけは、こんな些細なことだったでしょう。
しかしそこから前述のように生活リズムは見事に崩れ、生活が夜型に傾いてしまいます。
でもすぐに月曜日はやってきます。
平日はいやでも朝起きなければなりません。
すると睡眠時間が十分に足りず、しかも目覚まし時計に叩き起こされたせいで寝起きも良くありません。
そうして時間も質も悪い睡眠が続いた結果、慢性的な睡眠不足に陥ります。
いつしかその睡眠不足は週末に寝だめで取り戻すのが習慣に。
寝だめに後悔していたり、良くないことだと自覚があれば、まだマシかもしれません。
むしろ「週末だ!目覚まし時計を気にせず寝られるぞー!」というような状態になっている方がいらっしゃったら、それは危険です。
かなりの重症ですね。
もう一度上記の寝だめの副作用についてを読み返し、重く受け止めていただきたいです。
寝だめの習慣を変える決心のついた方、さっそく行動に移していきましょう。
習慣を変えるのは難しい?
寝だめが習慣付き始めた頃を思い出してみてください。
その頃はまだ寝だめに対して少しばかりの抵抗があったはずです。
しかし、「昼まで寝てしまった…」の罪悪感はやがて薄れていき、気づいた頃には”いつものこと”になってしまいました。
習慣って怖いですよね。
でも逆に、「寝だめしてしまう」ことに慣れられたように、「寝だめしない生活」にも慣れられます。
習慣を変えるときには大きな労力を必要とします。
寝だめの初期の頃には抵抗があったように、初めのうちはしんどいですが、健康的な睡眠も続けていればすぐに慣れます。
寝だめから昼寝へ
寝だめの何がいけないのかというと、朝が無いということです。
これが原因となって生活リズムが乱れ、様々なところへ悪影響が派生していきます。
寝すぎはいけないという先ほどの話と矛盾するようですが、1日24時間のうち睡眠時間の割合が多すぎることに対して心配する必要はあまりありません。
寝だめの問題を解決するためには、睡眠を複数回に分ければいいのです。
朝は仮に睡眠時間が足りていなかったとしても、休日で何も用事が無かったとしても、いつも通りの時刻に起きるのです。
そして昼寝をしましょう。
睡眠は1日に1度しか取ってはいけないという決まりはありませんから、1日の合計で同じだけ身体を回復させることが出来ればよいのです。
むしろ昼寝には寝だめ解消だけではない、素晴らしい効果があることが示されています。
例えば集中力や記憶力を向上させる効果があります。
そもそも人間は長時間集中できませんし、記憶力も低下していきます。
そこで気分転換に昼寝を取ることで、これらをリセットするのです。
また下記の記事で解説しているように睡眠は最初の90分間が最も重要なのですが、1日の睡眠を2回に分けるということは、この最初の90分が2回あるということです。
なんと寝だめの習慣を昼寝の習慣に変えるだけで、一石二鳥の効果が期待できるのです。
ただし1つだけ注意点としては、昼寝は16時頃までに済ますようにしましょう。
夕方以降の仮眠は夜のメインの睡眠に影響を与えてしまうリスクが高まります。
あくまで夜に寝て朝に起きるというリズムは崩さないよう、崩さないための昼寝を心がけましょう。
平日の睡眠も見直しを
ところで、あなたはなぜ休日の寝だめの習慣がついてしまったのでしょうか?
そもそも「寝だめしたい」と感じるのは、普段の睡眠時間が足りていない証拠です。
睡眠は「量×質」で決まるとお話ししたように、睡眠時間が不足すると身体の回復が十分にできす、健康に悪影響を与えてしまいます。
睡眠時間が少ない人は寿命が短い傾向にあるという研究結果も出ています。
寝だめの習慣を解消するためには、平日の睡眠時間をしっかりと確保することも重要です。
とは言っても平日はなかなか忙しく、これ以上の睡眠時間を確保することが難しいという方も多いかもしれません。
そのような方は平日にも昼寝を取り入れましょう。
ちょっとした時間なら探せば見つかるはず。
10分程度の仮眠でも、その後のパフォーマンスには大きく差が出ることを実感できますよ。
先ほどお話ししたように、夕方以降の仮眠は夜の眠りに影響します。
帰りの電車での仮眠は昼の仮眠に変えましょう。
まとめ
寝だめは1日で急には直りません。
休日の朝ちゃんと起きるためには、午前中にやることや起きれたときのご褒美を決めておくのも効果的かもしれませんね。
寝不足も寝すぎも生活のリズムを狂わせ健康的な生活を阻害します。
それは様々な病気の原因となり、理想的な睡眠を取っていた場合よりも寿命を縮めることが分かっています。
寝不足と寝すぎを交互に行う”休日の寝だめ”の習慣は、慢性的にどちらかが続いているよりも、より身体に負担の大きい行為です。
今日からでも生活を見直し、充実した日々を送りましょう。