痛たたたた・・・腰が・・・
上手に寝返りができていないのかもしれないね
寝返りには、体圧を分散させる重要な役割があるんだ
睡眠の質にも直結するから、1度見直そう
- 寝返りの重要性について
- 寝返りは多ければいいものではない
- 寝返りしやすい環境を整える方法
自然な寝返りの打てる環境を作り、快適な朝を手に入れましょう。
また無駄な寝返りを減らし、睡眠の質を高めましょう。
目次
寝返りの重要性
快適な睡眠環境を保つ
夏でなくても、人は一晩でコップ1杯分もの汗をかいています。
それは体温をコントロールしたり、体内の水分量を調節したりするためです。
このような身体の働きは、快適に眠るために必要不可欠なものです。
しかし、そのままでは発散した熱は布団の中にこもってしまいます。
その問題を解決するために、寝返りが重要な役割を果たしています。
寝返りをすることで、布団の中では空気の流れが発生します。
また寝返りと同時に掛け布団が持ち上がることで、布団の中のこもった空気は外へ出ていき、代わりに外の空気が布団の中に入ってきます。
分かりやすく言えば、布団の中の換気が行われるということですね。
まとめると、寝返りを行うことで自然に布団の中の環境は整えられています。
そして快適に眠ることができています。
もし寝返りができなければ、どうなるでしょうか?
空気が循環しないので、布団の中は蒸れてしまいます。
夏の夜などは特に、1度は感じたことがあるのではないでしょうか?
実は寝返りができないと、半側発汗という現象によって余計に蒸れは加速します。
半側発汗について、簡単に説明します。
仰向けで寝ている場合を考えてみましょう。
寝返りを打たなければ、背中側はずっと布団に接しています。
すると、背中から汗を発散することができません。
汗を出せないということは、熱を放出できないということですから、背中側の体温は異常に高くなってしまいます。
これは不快感や中途覚醒の原因となります。
また背中側から発汗が行えないと、身体はその分の汗を代わりにお腹側などから放出しようとします。
すると布団の中は余計に蒸れやすくなってしまいます。
寝返りができなければ、ダブルで快適な眠りが妨げられてしまうのです。
腰痛の予防
朝起きた時、腰の痛みを感じることはありませんか?
その原因として、睡眠中に体重が1点に集中してしまっていたことが考えられます。
ここでも仰向けに寝る場合を例に考えてみます。
睡眠中は内臓が重力によって背中側に引っ張られています。
もし寝返りを打てなければ、背中は一晩中その重みに耐えていなければなりません。
ここには大きく分けて2つの問題が発生します。
1つは、物理的に腰を痛めることです。
内臓の重さが背中にかかり続けることで、背中の筋肉や関節には大きな負荷がかかってしまいます。
ひどい場合には、骨格をゆがめてしまうこともあります。
もう1つは、血行不良を起こすことです。
背中は敷き布団とも接しているため、血管は圧迫されてしまいます。
するとその部分で血流の滞りが発生してしまいます。
そして老廃物が溜まることで、腰痛が引き起こされます。
このような体重の集中を防ぐためには、睡眠中の定期的な寝返りが欠かせません。
また血液は、全身を巡って老廃物を取り除くほかにも、栄養素を届けたり体温をコントロールしたりする役割も担っています。
ですから、どこか1箇所で停滞が生じると、その影響は全身に及びます。
肩こりや首こり、冷え性や身体のむくみなども、不十分な寝返りと関連があるかもしれません。
身体の歪みを整える
寝返りには、1日の生活の中で生じた身体の歪みを整える役割もあります。
身長は朝起きた時が一番高いと聞いたことはありませんか?
普段の生活で意識することはあまりないと思いますが、頭の重さは大体5kg~6kgほどもあります。
身体はそんな重い頭を1日中支え続けています。
すると僅かながら身体には歪みが生じてしまいます。
特に現代はスマホなどの使用が増え、姿勢の悪い状態で長時間過ごしてしまう人が増えています。
人間は自然治癒力を持っていますが、身体の歪みを矯正する働きもその1つです。
睡眠中は身体が頭の重さから解放されているので、歪みを整えるには最適なタイミングです。
寝返りを行うことで歪みの矯正がサポートされ、まっすぐなきれいな身体を保つことができます。
寝返りと睡眠の質の関係
寝返りは多い方が良いわけではない
ここまで寝返りの重要性についてお話ししてきました。
このような話をすると、寝返りは多い方が良いと思われてしまうかもしれません。
しかしそれは違います。
寝返りをするべき主な理由をまとめると、以下のようになります。
- 布団の中の蒸れを防ぐ
- 身体の圧を分散させる
- 身体の歪みを整える
従って、これらの目的が達成できれば、それ以上に寝返りを打つ必要はありません。
それどころか、必要以上の寝返りは、眠りを浅くしてしまいます。
熟睡できず、睡眠の質が低下してしまう原因になりかねません。
それでは一晩の最適な寝返りの回数はどのくらいなのでしょうか?
残念ながら答えはありません。
というのも、最適な寝返りの回数には個人差があります。
他のサイトでは、具体的な数字を出しているところもありますが、その根拠はどうでしょうか?
- 蒸れやすい布団か否か
- 体型や寝相
- 日常生活における身体への負担の具合
これらによって、必要な寝返りの回数は大きく変わります。
ですから回数よりも大切にすべきことは、もっと他にあります。
朝気持ちよく起きられているか
身体に痛みを感じることはないか
具体的にはこれらですね。
もしこれらに問題を感じていないのであれば、寝返りに関して特に心配する必要はありません。
一方で満足な睡眠が得られていない場合は、無駄な寝返りをしていないか、自然な寝返りが妨げられていないかについて、見直してみた方が良いかもしれません。
無駄な寝返りを無くすために
無駄な寝返りは、寝返りをすることしか考えていないことで生じてしまいます。
睡眠は身体を休め回復させるために行っています。
それをサポートするための寝返りです。
この目的と手段が曖昧になってしまっている例を1つ挙げましょう。
過去に、バスタオルを使用して寝返りを促進させる方法がテレビで紹介されました。
具体的には、腰に細長く折りたたんだバスタオルを巻き付け、その状態で眠るというものです。
イメージとしては、着物の帯を付けているような感じですね。
確かに寝返りはしやすくなるかもしれません。
実際、検証に参加されていた方々は、腰痛の改善や気持ちの良い目覚めを体感されたようでした。
しかし本来寝返りは、寝返りを妨げる身体への余計な負担を取り除くことでしやすくするものです。
例えば素材にこだわったパジャマが注目を集めていたりします。
また裸で寝るのが最適解だとおっしゃる方もいらっしゃいます。
バスタオルを使用したこの方法は、寝返りをすることしか考えていません。
それではやがて無駄な寝返りが増加したり、バスタオルによって身体が締め付けられることに関連した悩みが生じたりすることでしょう。
同様に寝返りをすることしか考えていない寝具の使用も、無駄な寝返りを誘発する要因となります。
例えば、寝返りのしやすさだけを考えれば、身体の沈み込むふかふかのマットレスよりも固めのマットレスの方が良いですよね。
しかしそのことしか考えていなければ、まるで床の上かのようなマットレスを「寝返りのしやすいマットレス」として生み出してしまいます。
この例は少し極端ですが、同じような勘違いは現実に起こってしまっています。
体圧を分散させ、腰痛を防止するために寝返りしやすいマットレスを考案していたはずなのに、そのマットレスが腰痛を引き起こすようでは本末転倒です。
腰痛になりやすくなった分、余計に無駄な寝返りが増えていては、睡眠の質が低下してしまいます。
まとめると、「寝返りがしやすいこと」だけを第一に考えることはとても危険です。
寝返りは快適に眠るために行っているものだということを再確認しましょう。
自然な寝返りをするために
朝目覚めた時、これらの不快感を感じることはありませんか?
- 腰痛や身体の凝り
- 疲労感
- 背中の蒸れ
前半で寝返りの重要性についてお話しした際に着目した事柄です。
つまりこれらに心当たりのある場合は、寝返りが上手にできていない可能性があります。
寝返りが少なかったりできていなかったりする原因は何でしょうか?
大きく3つ考えられます。
まず1つ目に、身体が硬いことや、お年寄りの方の場合筋力が弱まっていることが考えられます。
可能であれば運動の習慣を取り入れたり、就寝前に軽くストレッチを行うだけでも効果はあるでしょう。
続いて2つ目の原因として考えられるのは、身体の沈み込むようなふかふかのマットレスの使用です。
子供の頃、大きな公園や遊園地などで、エアー遊具で遊んだ経験はありませんか?
トランポリンのような感じで楽しいですが、地面はとても不安定ですよね。
ふかふかのマットレスは、まさにそのような状態です。
身体がしっかりと支えられず、寝返りもスムーズに打つことができません。
最後に3つ目の原因として考えられるのは、寝返りできる十分な空間が確保できていないことです。
身体の大きな方の場合、1回転しただけで布団から落ちてしまうようなことがあるかもしれません。
そのような狭い布団で寝ていると、無意識のうちに寝返りを控えるようになります。
またパートナーや子供と一緒に寝ている方も要注意です。
相手を気遣うことで、同様に自身が寝返りを打てる空間が狭まってしまいます。
これらの原因を解決し、自然な寝返りをするためには、寝具の見直しが必要かもしれません。
寝返りしやすい寝具を使用することで、睡眠の質や目覚めの良さを向上させることができます。
ここからは、寝具選びのポイントについて詳しくお話しします。
寝具にこだわる
寝具選びが重要な理由
自然な寝返りにこだわる際、寝具選びがとても重要になります。
それは、寝返りは寝ている間に無意識の中で行われるものだからです。
言い換えれば、寝返りは自身でコントロールすることができません。
先ほど寝返りが上手くできない3つの原因についてお話ししましたが、身体の柔軟性を高めることを除いては、寝返りの質はほぼ寝具によって左右されます。
例えば、寝具が身体に合っていない場合、寝返りには余計な力が必要になってしまいます。
するとスムーズに寝返りが打てず、途中で目覚めてしまうリスクが高まります。
夜中に目覚めてまで寝返りをするなんて、それは完全に無駄な寝返りですよね。
寝具に求められる条件
寝返りしやすい寝具について考える前に、そもそも寝具に求められる前提条件について確認しておきましょう。
この前提条件を満たしていない寝具は、寝返りを打つことしか考えていない寝具です。
もしくはそれさえも考慮されていない寝具ですね。
そのような寝具の使用は、余計な寝返りを増やしてしまう原因になりかねません。
条件は2つです。
1つは吸湿性・放湿性に優れていることです。
簡単に言えば、睡眠中にかいた汗の処理を上手にしてくれることです。
人間は体温コントロールのために、多くの汗をかくとお話ししました。
寝具の吸湿性や放湿性が悪ければ、汗による不快感で無駄な寝返りが増加してしまいます。
不快感が限界を超えた場合には、目覚めてしまうこともあるかもしれません。
もう1つは身体への負担が少ないことです。
特に睡眠中は、寝具が合っていないと首・肩・腰などに負担がかかりやすいので要注意です。
身体への負担が大きいと、その負担を和らげたり分散させたりするための、無駄な寝返りが必要になってしまいます。
これを防ぐには、適度な硬さのマットレスや自身に合った高さの枕選びが重要になります。
このような身体への負担が少ない寝具を選ぶことは、寝返りのしやすさにも繋がります。
寝返りしやすい寝具とは?
それでは具体的に寝返りしやすい寝具について解説していきます。
まずはマットレスや敷き布団についてです。
着目するべきポイントは、適度な硬さであるかどうかです。
マットレス選びにおいては、よく背骨のカーブに注目がいくことが多いです。
確認してもらえる人がいれば良いですが、自身では判断することが難しいと思います。
そのような場合には実際に寝転んでみて、違和感や身体の1か所への負担が無いか、そして楽に寝返りが打てるかどうかを確かめてみましょう。
次に掛け布団についてです。
掛け布団においてはできるだけ軽い方が良いと言えます。
単純に全身への重りとなるため、軽いに越したことはありませんよね。
軽い方が寝返りを打ちやすいのも当然です。
ただし1つだけ注意していただきたいことがあります。
それは寝返りをしたときに、どこかへ飛んで行ってしまわないことです。
身体を冷やす原因となります。
そういう意味では、掛け布団にはある程度の存在感も必要かもしれません。
最後に枕についてです。
枕選びで最も重要なことは、高さです。
続いて硬さも大切ですが、ここでは高さに絞ってお話しします。
前半で頭の重さは大体5kg~6kgほどもあるとお話ししました。
寝返りする時に枕の高さが合っていなければ、身体の回転に合わせて頭がきれいに回転しません。
すると、寝返りを打とうとする度に首にねじれが生じ、翌朝首こりや肩こりを感じる原因となります。
寝返りしやすい寝具についてお話ししましたが、重要で確実なことは、実際にその寝具で寝返りをしてみることです。
仰向けだけでなく、横向きになっても身体への負担は無いかなどチェックを行うことが大切です。
ネットで何でも買える時代になりましたが、その点では寝具は実店舗で試して選ぶことが必要かもしれません。
まとめ
寝返りにはこのような重要な役割があります。
- 布団の中の蒸れを防ぐ
- 身体の圧を分散させる
- 身体の歪みを整える
自然な寝返りを行える環境を整えることで、これらの効果を最大限に受けることができます。
自然な寝返りを行うためには、寝具が重要な役割を果たしています。
吸湿性や放湿性が優れていることに加えて、身体の圧を上手に分散してくれるものを選びましょう。
そうすることで身体への負担が軽減され、無駄な寝返りを減少させることができます。
それは睡眠の質を向上させることに繋がります。