寝つきが悪い、熟睡できないなど、睡眠に関する悩みをお持ちではありませんか?
その悩み、ラジオ体操で改善できるかもしれません。
実はラジオ体操を行うと、全身の3分の2もの筋肉を動かすことができます。
それにより様々な健康効果が期待できるのです。
この記事では、その中でもラジオ体操の睡眠への効果に注目しています。
その場でできる
誰でもできる
ラジオ体操ってコスパ最強かもしれません。
目次
なぜラジオ体操は睡眠に効果があるのか
深い呼吸
ラジオ体操
↓
深い呼吸
↓
寝つきが良くなる
ラジオ体操は、ストレッチと運動の両方の側面を併せ持った一石二鳥の体操です。
体幹の安定や胸を開くことを意識した動きが、良い姿勢作りに繋がっています。
そして良い姿勢でいると空気の通り道が広く確保され、呼吸機能のアップが期待できます。
すなわち自然に深い呼吸が出来るようになります。
それでは深い呼吸は、睡眠とどのように関係しているのでしょうか?
眠りにつくためには、精神が落ち着いている必要があります。
分かりやすく、正反対の場合を考えてみましょう。
全力でダッシュすると、呼吸はとても荒くなります。
また悩み事や心配事を抱えているときも、呼吸はビクビクと不安定になります。
このような浅い呼吸では、スムーズに眠りにつくことができません。
ラジオ体操を行うことで、普段から深い呼吸を自然に行え、スムーズに眠りにつくことができるようになります。
リズム運動
リズム運動であるラジオ体操
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セロトニンの分泌
↓
元気に活動
↓
睡眠の質がアップ
リズム運動とは、名前の通り一定のリズムで行う運動のことを言います。
例えばウォーキングやジョギングなどがリズム運動として挙げられます。
そして4拍や8拍で1つの動きを繰り返すラジオ体操もリズム運動の1つです。
リズム運動を行うことで、セロトニンというホルモンの分泌が促進されます。
セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
その名の通り、セロトニンの分泌が増えると身体にたくさんの幸せがもたらされます。
ここでは2つの幸せを紹介します。
その1つに、ストレスを上手に処理し、うつ病やその他の精神病を予防してくれます。
もう1つに、起床直後のまだウトウトしている状態から完全に覚醒する手助けをしてくれます。
質の良い睡眠を得るためには、日中元気に活動を行うことが大切なポイントの1つです。
そのためにも、リズム運動で体内のセロトニンをたくさん増やすことが重要です。
セロトニンには、そのような生活をサポートしてくれる役割があるのです。
またセロトニンは、夜になるとメラトニンという別のホルモンに変わります。
このメラトニンというホルモンは、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
眠気を呼び、自然に眠りにつきやすくしてくれる働きがあります。
光を浴びるきっかけになる
外でラジオ体操
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朝日を浴びる
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体内時計のリセット&セロトニンの分泌
↓
健康的な生活
↓
睡眠の質がアップ
子供の頃、夏休みのラジオ体操でスタンプ集めしましたか?
早朝に学校などに集まっていたかと思いますが、それは早起きの習慣を乱さないためだけではありません。
実はそこには朝日の光を浴びるためという理由も隠されていました。
というのも、リズム運動で生成が促されるとお話ししたセロトニン、なんと光を浴びることでもっとたくさん分泌されるのです。
さらに光には体内時計をリセットしてくれる働きもあります。
体内時計は24時間よりも長く、修正せずに生活を続けていると、夜更かしや寝坊をしやすくなってしまいます。
電波時計でない時計が、だんだんとおかしな時刻になっていくようなイメージです。
ですから体内時計は電波時計のように、毎日どこかのタイミングで正しい時刻にリセットしなければなりません。
実はその役割を担っているのが朝日の光なのです。
1日24時間の地球の時刻に身体の時計を合わせることで、身体の機能が正しく働き、睡眠サイクルも整います。
つまり朝日は健康的な生活には欠かせないものなのです。
ラジオ体操は外で朝日を浴びながら行うことで、効果がよりアップします。
ラジオ体操が優れている理由
全13の考え抜かれた動き
ラジオ体操は何十年も前に作られたものです。
にもかかわらず、今でも多くの人に愛され続けています。
それはラジオ体操が、動きに1つも無駄のない完成された体操だからです。
ラジオ体操を行うことで得られる効果について、いくつか紹介します。
- 柔軟性アップ
- 便秘の解消
- 身体の凝りの改善
- 冷え性の改善
ラジオ体操には、身体を曲げたりひねったりする動きがよく出てきます。
リズムよくそれらの動きを繰り返すことで、身体の柔軟性アップが期待できます。
身体が柔らかくなることで、とっさの反射行動で無理な動きをして身体を痛めるリスクも減らせます。
また身体を曲げたりひねったりする動きには、消化器官に刺激を与え、機能を促進させる役割もあります。
例えば小腸もその刺激を受ける器官の1つです。
腸の蠕動運動が活性化されることにより、便秘解消が期待できます。
さらに、身体の固まりがほぐれることで血流が良くなります。
身体の凝りの主な原因は血行不良ですから、ラジオ体操で血流を良くすることで、肩こりや首こりの改善が期待できます。
また身体の隅々の毛細血管にまで血液がしっかりと行き渡ることで、冷え性の改善が期待できます。
おまけに血液が脳へきちんと行き渡ることで、酸素不足の頭痛も改善する可能性があります。
想像以上の消費カロリー
ラジオ体操って、軽いストレッチだと思っていたかもしれません。
それは大きな間違いです。
実はラジオ体操は、細かい動きまで意識してきっちりと行えば、汗もかく程の運動量があります。
なんと家にいながらその場でできる運動にも関わらず、卓球やパワーヨガに匹敵する運動量があります。
これだけの運動量ですから、カロリー消費も多く、ダイエット効果が期待できます。
厚生労働省が、ラジオ体操第1のメッツは卓球やパワーヨガと同じくらいだと発表しています。
音楽の効果
あまり意識されることは少ないかもしれませんが、ラジオ体操と言えばおなじみのピアノ伴奏にも大きな意味があります。
音楽に合わせることで、一定のペースを保ち、効率よく運動を行うことができます。
例えばマラソンでは、序盤の飛ばし過ぎや終盤のペースダウンを抑制し、一定のリズムを保ってくれます。
音楽に合わせてラジオ体操を行うことで、大きく2つの効果が期待できます。
- 不眠改善
- 認知症予防
まずは不眠改善についてです。
音楽に合わせて一定のリズム行う運動=リズム運動です。
既にお話ししてしまいましたが、リズム運動はセロトニンの分泌を促進させ、睡眠の質を高めてくれます。
そしてリズム運動のもう1つの効果が認知症予防です。
リズムに合わせて身体を動かすことが、一種の脳トレとして認知力の維持に繋がります。
認知症が心配な家族や親戚の方に、ラジオ体操を勧めてみると良いかもしれません。
ラジオ体操は昔からあり、多くのお年寄りの方も知っている体操だと思います。
足の不自由な方向けに、椅子に座った状態のまま行えるバージョンも考案されています。
ラジオ体操を家族の日課にするのも良いですね。
みんなでやった方が長続きもしやすいですよ。
まだまだ若い方でも、ラジオ体操を習慣にしていれば、健康的な身体をより長く維持することができます。
さらに効果を高めるために
時間帯を意識する
ラジオ体操と言えば朝のイメージのある方が多いのではないでしょうか?
朝のラジオ体操は朝日を浴びることができ、とても有効です。
でも他の時間帯にも、その時間帯だからこその効果がそれぞれあります。
あなたの目的に合わせて、ラジオ体操を行う時間帯にもこだわってみましょう。
もちろんラジオ体操に1日1回だけという決まりはないので、何度も行うのもありですよ。
朝
朝日の恩恵昼
眠気を発散夕方
ダイエット効果夜
身体をリラックスまずは朝です。
朝のラジオ体操で得られる効果は、もう既にお話ししてしまいました。
朝日を浴びることによって得られるセロトニンは、1日の活動パフォーマンスを上げてくれるとともに、夜はメラトニンに変わり眠りのサポートまでしてくれます。
朝から身体を動かすことで、まだ寝たいという気持ちをスパッと切り離し、「今日も1日頑張るぞ」と気持ちを切り替えることもできます。
逆に身体も動かさず光も浴びずにいると、布団からは出て起きていても、本当の意味で脳や身体は覚醒しません。
活動モードになるまでに、人によっては3時間ほどかかってしまうこともあるそうですよ。
ラジオ体操をして活動モードに切り替えていれば、朝一の勉強もはかどりいいこと尽くしです。
次に昼です。
昼食の後って、なんだかウトウトしてきませんか?
昼寝ももちろん効果的ですが、ラジオ体操で身体を動かすのもGOODです。
特に午前中ずっと座りっぱなしだった人におすすめです。
立ち上がって伸びをするのと併せて、ラジオ体操で午後からも最高のパフォーマンスを保ちましょう。
続いて夕方です。
先ほどラジオ体操の消費カロリーの多さと、ダイエット効果についてお話ししました。
ここだけの秘密ですが、ダイエット効果を最大限に受けるなら夕方が一番おすすめです。
というのも、夕方は人間の体温が1日の中で最も高くなる時間帯です。
つまり1日の中で最も代謝が良く、最も効率的に脂肪燃焼が行われています。
言うなれば、夕方はダイエットのゴールデンタイムです。
ダイエットで重要なことは続けることです。
場所を問わず隙間時間でできるラジオ体操は、生活に組み込み習慣化しやすいので、ダイエットにもおすすめです。
最後に夜です。
夜の時間帯に行うラジオ体操は、体温の上昇をスムーズな入眠にダイレクトに繋げられるという利点があります。
ここで入浴の役割について考えてみてください。
身体を温めてほぐし、リラックスさせることなどを想像されたかと思います。
これってラジオ体操で得られる効果と共通していませんか?
入浴には寝つきを良くする効果がありますが、夜のラジオ体操でその効果をより促進させることができます。
なお夜はストレッチ効果を意識して、丁寧にゆっくりと行うのがおすすめです。
一日の生活で、長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし、無理な姿勢による首や腰への負荷など、身体には疲労が蓄積しています。
眠っている間に身体が効率良く回復できるよう、丁寧にほぐしてあげましょう。
ただし夜のラジオ体操の注意点として、就寝直前は控えるようにしましょう。
運動直後は心拍数が上がっており、寝つきが悪くなるので逆効果となってしまう可能性があります。
1~2時間ほどは余裕を持った方が良いでしょう。
呼吸を意識する
筋トレやストレッチでも同様ですが、運動で大切なことは呼吸を意識することです。
呼吸を止めてしまうと、身体は固まってしまいます。
肺活量を鍛えるわけではないので、限界まで吸ったり吐いたりする必要はありません。
基本的には力を抜く動作に合わせて息を吐き、力を入れる動作に合わせて息を吸います。
ですがあまり深く考えるよりは、音楽に合わせて楽に自然な呼吸を心がけていれば大丈夫です。
呼吸を意識するだけでも胸が開きやすくなり、姿勢も良くなりますよ。
テレビで映像を見ながら
毎日朝の6時25分からの10分間、NHKのEテレで「テレビ体操」というタイトルでラジオ体操が放送されているのをご存知ですか?
もしご存知なければ、一度ご覧になってみてください。
「これが本当のラジオ体操なのか」と、動きの素早さと美しさに驚くかもしれません。
ここまできちっと行うことは難しいかもしれませんが、動きを実際に見ながら、マネをしようとするだけでも効果はぐんと上がります。
左右対称に動いてくださっているので、見た通りにマネしやすいのも良いですね。
ただし、上や後方に伸ばした指先を見るべきタイミングで、目線だけがずっとテレビにくぎ付けになってしまわないようにだけ注意しましょう。
首に変な力が入ってしまう原因になりかねません。
ラジオ体操第2
一般的に良く知られているラジオ体操は、正式には「ラジオ体操第1」といいます。
よく聞いていると、ピアノ伴奏の流れる前、冒頭でも「ラジオ体操第1」と言っています。
そして第1と言うからには、ラジオ体操第2も存在しています。
ラジオ体操第1に比べると全体的にハードな動きになっています。
ですがラジオ体操第2を併せて行うことで、ラジオ体操第1だけでは補いきれなかった筋肉を動かすことができます。
若くて元気な方は、特にラジオ体操第2もセットで行うことがおすすめです。
さらにラジオ体操には第3も存在します。
ラジオ体操第1やラジオ体操第2に比べて動きが複雑で、当時ラジオの音声だけでは動きを伝え切れなかったため、あまり普及はしなかったようです。
音楽の雰囲気も変わり、全体的に身体を大きく動かすことが特徴的です。
興味のある方はラジオ体操第3までマスターしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
ラジオ体操は、これまで運動の習慣が無かった人にこそおすすめしたいです。
いろいろお話ししましたが、まずは朝起きたら部屋の中でパジャマのままでも構いません。
着替えて外へウォーキングというと習慣化は難しいですが、これなら続けられそうではありませんか?
ラジオ体操は昔の古臭い体操ではありません。
ある意味で完成形だからこそ、今日まで消えずに多くの人に続けられているのですね。
睡眠への効果やダイエット効果など、ラジオ体操では様々な効果が得られるとお話ししましたが、どれも1回行っただけで効果の出るものではありません。
毎日続けること、習慣が大事です。
その積み重ねが健康的な身体を作ります。