あなたの身体に不調はありませんか?
頭痛や肩こり、首こりなどには多くの日本人が悩まされています。
それらの原因の根底には、自律神経の乱れがあるかもしれません。
普段意識することのないホルモンの分泌の制御や心臓・胃などの内臓の制御、それは自律神経の働きによって行われています。
普段意識することがないからこそ乱れに気が付きにくいのですが、自律神経はこのような人間が生活を送るうえでの根底を担っていることが多くあります。
つまりあなたの身体の不調の根源も、それは自律神経の乱れにあるかもしれません。
また自律神経は睡眠とも深く関係しています。
それゆえ、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの睡眠障害の原因が自律神経の乱れであることもしばしば…。
ということで、この記事では「自律神経」にフォーカスを当ててあなたの悩みを解決していきます。
自律神経を制するも者は、睡眠を制します。
そして睡眠を制する者は、人生を制します。
目次
自律神経とは?
交感神経と副交感神経
自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成っています。
交感神経は、起きて活動している時に主に優位に働きます。
副交感神経は、睡眠中のようなリラックスしている時に主に優位に働きます。
交感神経と副交感神経は、場面に合わせて互いに譲り合いながら身体をコントロールしてくれています。
逆の作用をするこの2つが同時に優位になることはありません。
もし同時に優位になろうと喧嘩を始めてしまうと、それは身体の不調として現れてしまいます。
なので健康的な生活を送るためには、交感神経と副交感神経が仲良く共存出来るような環境を整えてあげることが大切になります。
意思で制御できない部分を担っている
自律神経の働きを具体的に見ていきましょう。
呼吸のリズム
自律神経の働きの1つ目は心臓の拍動の制御です。
激しい運動をしたり、お化け屋敷に入ったりしたときには、心臓がバクバクとなっているのを感じることがあります。
これは交感神経が優位に働いている証拠です。
逆にリラックスして入浴しているときや睡眠中には、呼吸は深くゆっくりとなります。
これは副交感神経が優位に働いているということです。
副交感神経が優位に働いているからリラックスしているのか、リラックスしているから副交感神経が優位に働いているのか、と言えば難しい話ですが、このように自律神経は呼吸のリズムに影響を与えています。
体温調節
次に体温のコントロールについてです。
動物には大きく分けて変温動物と恒温動物の2種類がいます。
変温動物とは、周囲の気温に合わせて体温が変化し、そのため気温の下がる冬には死なないように冬眠する動物たちのことです。
冬眠しない場合には、渡り鳥のように活動する地域を変えながら生活する動物たちもいますね。
一方の恒温動物とは、人間のように自身で体温の制御ができる動物たちのことです。
人間は例外として衣服によって体温を調節することもできますが、他の動物たちは恒温動物であってもそのようなことは行いません。
それでは恒温動物たちがどうやって体温の調節を行っているかというと、そのカギは自律神経にあります。
暑いと身体から汗が出てきて、それにより体温を下げることができますが、汗は出そうと思って出るものではありません。
※汗を出そうと思ったら、サウナに行けばもちろん出せますよ。
しかし脳の指令で筋肉を動かすように、汗は制御できるものではありませんよね。
ではなぜ体温が上昇すると汗が出るのかというと、それこそが自律神経の恒温性を保つための働きによるものです。
反対に寒い空間にいて体温が低下してくると、身体がブルブルと震えだします。
これも自律神経の働きによるもので、身体を小刻みに振動させることで熱エネルギーを発生させているのです。
よって自律神経が乱れ体温調節が上手くできなくなると、風邪をひきやすくなってしまいます。
内臓の働き
胃や肝臓、小腸など、体内には多くの臓器がありますが、これらの制御は誰が行っているのでしょうか?
まさかMT車を操作するように、各臓器に対して脳から指令を送っているなんて人はいませんよね。
アクセルを踏むだけのAT車のように、自律神経を正しておくだけで、あとはこの自律神経が全てやってくれます。
ホルモンの制御
内臓の働きと関連していますが、ホルモンの分泌の促進・抑制を制御しているのも自律神経です。
あるホルモンが必要になると、その必要な時に、必要な場所に、必要な分だけ分泌がなされます。
これが自律神経によって制御されているのです。
素晴らしいですね。
もしタイミングや届ける場所、量を間違えてしまえば、必要としていた場所が不調を起こすのはもちろん、間違えて届けられた場所も不具合を起こしてしまうかもしれません。
またホルモンは、自律神経とともに体温の恒常性を保つ手助けもしています。
人間が何も意識しなくても健康的な生活が送れているのは、ホルモンの役割が大きいのですね。
そんなホルモンに正しく機能してもらうためにも、安定した自律神経は欠かせません。
自律神経が乱れると…
自律神経の重要性、理解していただけたでしょうか?
人間にとってこれだけ重要な自律神経が乱れてしまうと、身体の様々なところに色々な不調をおこす原因になります。
ここでは代表的なものをいくつか見ていきましょう。
自覚のあるものがあった方は要注意です。
自律神経が乱れているのかもしれません。
ストレス
自律神経が乱れると、ストレスを溜め込みやすくなったり、溜まったストレスを上手く発散できなくなったりします。
現代はストレス社会と言われているほど多数のストレスの原因が存在しており、わたしたちは常にその脅威にさらされています。
ストレスを溜め込みすぎると、うつ病発症のリスクも高まります。
現代ではストレスを全く受けない生活は不可能なので、ストレスを溜め込まず上手に処理していくことが重要視されています。
イライラ
ストレスに関連して、イライラも上手に発散する必要があります。
人間関係は難しいもの。
多様な考えの人々が存在する中で、意見の衝突はどうしても起こってしまうものです。
あなたは自分なりのイライラの解消法をお持ちですか?
上手く処理していくことはもちろん、自律神経を整えてイライラの発散を促進させることも重要です。
頭痛
頭痛には様々な種類があり、原因も様々あります。
その中の1つには自律神経の乱れからくるものもあります。
ストレスやイライラが自律神経によって改善するように、気分・感情のコントロールを適切に行うためには自律神経が安定している必要があります。
自律神経が上手く機能せず、マイナス思考をしやすくなると、ちょっとしたことで頭痛を感じてしまいます。
この頭痛がまたマイナス思考を促進させる原因になってもいやですよね。
身体のコリ
自律神経が乱れると、血流が悪くなります。
血流が悪くなると肩や首のコリ、腰痛などを発症しやすくなりますが、原因の根本は自律神経にあることもしばしば…。
血流が悪くなると、ホルモンや栄養が身体に正しく行き渡らなくなって大きな病気に発展することも考えられます。
持病で済まさず、自覚症状はきちんと解消して健康的な生活を送りましょう。
冷え性
自律神経の乱れにより血流が悪くなると、冷え性にも繋がります。
冷え性は身体の末端の毛細血管までしっかりと血流が循環していない状態です。
手や足をグーパーと動かすことで血流が良くなることはあるかもしれませんが、それは一時的なもの。
応急処置ではなく根本から解決するには自律神経がカギかもしれません。
睡眠も自律神経によってコントロールされている
自律神経は睡眠とも密接に関わっています。
例えば呼吸は自律神経によって制御されていますが、就寝時になっても交感神経が優位に働き心臓がバクバクいっていたらどうでしょうか?
とても寝られる状態ではありませんね。
自律神経が整っていることで就寝時には副交感神経が入眠をサポートしてくれるようになるのです。
また体温調節も快適な睡眠には重要なものです。
夏の夜蒸し暑くて寝苦しさを感じることはありませんか?
冬の朝あまりの寒さに布団から出られないことはありませんか?
人間は起きて活動している間に比べて睡眠中の体温は少しだけ低下しています。
そのため入眠時の体温の低下、起床時の体温の上昇が上手く出来ない夏の夜や冬の朝はみなさん悩みを抱えてしまうのですね。
これらを解決するには自律神経を整えて、体温のコントロールが上手くいくようにしてあげることが大切です。
自律神経が整っていると、明らかな症状が出ているこれらの時期だけでなく、普段の睡眠もより快適になるはずです。
自律神経が睡眠に与える影響
寝つきが良くなる
自律神経を整えることによって就寝時に体温を上手に下げることが出来るようになると、スムーズに寝られるようになります。
すなわち寝つきが良くなります。
日付が変わる前には布団に横になっていたはずなのに、全然眠れず、睡眠不足を感じる。
さらには布団の中が「寝れない場所」になってしまっているかもしれない。
などなど入眠に関する障害をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
自律神経はこれらの悩みを解決し、寝つきを良くするために欠かせません。
睡眠の質が上がる
寝つきが良くなると、睡眠の質が向上します。
寝つきが良いということは体温コントロールが上手に出来ているということです。
こちらの記事で詳しくお話ししているのですが、上手に体温を下げることで深い眠りが得られます。
自律神経を整えるには?
質の高い睡眠を得るためには、寝ようと思ったら副交感神経が優位になり、それによって体温コントロールが行われ、入眠がサポートされる。
そんな毎日が理想です。
この理想を実現するために、自律神経を整え就寝時刻に合わせて交感神経から副交感神経に切り替えるには、どのようなことに気をつけて生活すれば良いのでしょうか?
ストレスを無くす
ストレスは副交感神経が優位にならなくなる原因の1つです。
自律神経の乱れはストレスを溜め込みやすくなる原因ですが、逆にストレスを溜め込むこともまた自律神経を乱す原因となります。
この悪循環に陥らないよう気を付けましょう。
先ほど現代社会ではストレスは避けられないと言いましたが、避けられるストレスは避ける努力をしましょう。
例えば、あまり相性の良くない人とは無理に付き合わないようにしたり、仕事と趣味は切り分けて考えるようにしたりしましょう。
また自分に合った上手なストレス発散法を見つけることも大切です。
趣味を見つける、毎日の生活の中に自由な時間をつくるなど考えられますよ。
身体の緊張をほぐす
身体の緊張は交感神経が優位な証拠です。
身体が緊張していると、いつも天敵に襲われることに怯えながら寝ている動物と同じ状態で深い眠りは得られません。
また力みが身体のコリや頭痛を引き起こしたり、自然な呼吸を妨げたりすることにもなるかもしれません。
副交感神経を優位にするため、身体の緊張をほぐすための自分なりのリラックス法を探してみましょう。
クラシック音楽を聴く、ゆったりと入浴を行う、気持ちよさを感じるくらいのストレッチをする、アロマで心地の良い空間を作り出すなど考えられますね。
食事のタイミングを固定する
実は食事と自律神経も深く関連しています。
自律神経は消化器官の制御やホルモンの分泌の制御も行っていますから、食事の時間帯が日によって異なると、この働きが安定しません。
日々の生活の中で多少の食事時刻の前後が生じてしまうことは仕方がないかもしれませんが、極端な乱れが生じたりそもそも抜いたりすることはないように気を付けましょう。
また夜食は睡眠の質を低下させてしまうため、おすすめできません。
消化器官を働かせるために交感神経が優位になってしまうほか、食後時間が経たないと横になるのが苦しいことから夜更かししやすい傾向にあります。
仕事の関係などでどうしても夕食が遅くなり夜食と化すなんて方もいらっしゃるかもしれませんが、時間を見つけて軽食を取り夜食として夜中に食べる量は減らすなど、工夫をしてみましょう。
就寝時刻を固定する
自律神経には呼吸や体温、内臓の機能やホルモンなどをコントロールする役割がありましたが、これらのリズムを安定させるために重要なことは、毎日の生活習慣を安定させることです。
前述の食事のタイミングはもちろん、就寝時刻を安定させることを心がけましょう。
起床時刻も固定させることが望ましいですが、休息のリズムが安定して睡眠の質が高まるまではなかなか起きたい時刻に起きられないかもしれません。
それでも就寝時刻ならば意識的に変えられるはず。
特に平日と休日で就寝時刻に差が無いように気を付けましょう。
毎週休日がやって来る度に就寝時刻に乱れが生じてしまえば、いつまで経ってもリズムは安定しません。
それだけでなく、休日にリズムを崩してしまうと月曜日の朝が苦しくありませんか?
休日くらい自由にさせて欲しいと感じるかもしれませんが、平日と同じ生活リズムを送ることが最終的には自由な時間も増え、充実した生活を送ることが出来るでしょう。
まとめ
自律神経は意思で自由に切り替えられるものではありません。
だからこそ毎日の生活習慣を安定させ、就寝時刻になったら自動的に交感神経が副交感神経に変わるような身体をつくることが理想です。
自律神経は日々の生活と密接に関わっており、プラスの影響を受けることもあればマイナスの影響を受けてしまうこともあります。
毎日のルーティーンを大切にして、質の良い眠り、そして充実した生活を目指しましょう。